耐震等級3は新築一戸建に必要なのか?耐震1は、震度7が2回で倒壊!?

住宅性能評価書とは?

耐震等級3は新築一戸建に必要なのか?耐震1は、震度7が2回で倒壊!?

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新築一戸建を検討する時、最近の大地震のニュース等から物件の耐震性も気になる方が増えています。新築建売住宅のほとんどは、耐震等級1相当であることが一般的ですが、コスパとの兼ね合いでどこまで、耐震等級3にこだわる必要があるのか?実際、建築基準法の最低限のレベルである耐震等級1相当は、どれくらいのレベルなのかという視点から、解説していきます。

また、熊本地震で2000年基準の建物が倒壊している事例から耐震レベルの考え方が大きく変わったといえます。2025年から建築基準法も改正されたこともあるのでどう変化したのか、どの耐震レベルの家を探すべきなのかも踏まえて戸建てを購入する前に必ず知っておいて欲しい内容です。

そもそも耐震等級とは

最近は、余震も長期的に続く大地震も多く、購入を検討している住宅が、どのレベルの耐震性を有しているのか気になるところです。そのわかりやすい基準が耐震等級という目安です。

耐震等級とは、地震に対する建物の強さを表す等級です。

平成12年から実施された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」の施主に判りやすい耐震性の判断基準として、1,2,3の数値表示による3段階の耐震等級ができました。

耐震等級1:建築基準法に定める基準を満たしたレベル
耐震等級2:建築基準法の1.25倍の地震力に対して倒壊しないレベル。
耐震等級3:建築基準法の1.5倍の地震力に対して倒壊しないレベル。

等級1が、これ以下は危険というギリギリの耐震性能です。等級2(等級1の1.25倍)等級3(等級1の1.5倍)と数字が大きくなるほどに建物の耐震性能は高くなります。

耐震等級1の建物は、10年に一度来る可能性のある震度5ではほとんど壊れません。ですが、100年に一度来る可能性のある震度6強~7の地震(阪神淡路大震災相当)では倒壊はしないレベルという想定です。しかし、柱、梁、壁の主要構造部が大破して、建て直さなければいけないぐらい壊れてしまうレベルの耐震性を想定しています。

建築基準法をクリアしている最低限のレベルが耐震等級1相当となります。つまり建築基準法をクリアしているということは、足きり基準でしかないということです。建売住宅・売建住宅(建築条件付き土地)であれば、そのほとんどが、耐震等級1相当であることが一般的です。

建築基準法=足きり基準

倒壊はしないレベルというのは、あくまで倒壊はせずに命は助かる可能性は高くなるが、地震の後、そのまま住めるかどうかは別問題です。

参考:国土交通大臣  建築基準法の耐震基準の概要

参考:国土交通大臣  阪神・淡路大震災による建築物等に係る被害

大手建売会社では、耐震3が標準になっていますが、建売(たてうり)や売り建て住宅(建築条件付き土地)では、耐震1が一般的です。大手以外の建売(たてうり)や建築条件付き土地で建てられる建物は耐震は1と思って探しましょう!

耐震3の建売や建築条件付き土地の建物は、非常にめずらしいです。どうしても、耐震3以上希望する場合、大手建売か、そこそこのハウスメーカーで建てるかしかありません。

「耐震等級3」の重要性とは!耐震等級3は必要なのか?

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結論からいうと、耐震等級3はあった方が確実にいいです。ただ、大手建売会社以外の建売や売建(建築条件付き土地)は、耐震等級3はまずついていないので、予算との相談と言うことになります。

直近の大地震と言えば、平成28年4月に発生した熊本地震です。余震、本震にて震度7が2度観測されました。観測史上初となる、震度7連続発生したことで、震源地付近の益城町周辺では甚大な建物被害が発生しました。この時、築年数が新しいにも関わらず、建築基準法の最低限の基準である耐震等級1相当で設計された家は実際倒壊していた現実があります。

耐震1は、震度7が2回で倒壊!

今まで安全とされていた現行基準(H12年・2000年新耐震基準)で建てられた戸建てであっても、複数の全壊・倒壊事例が報告されております。

あくまでも、命は守れるが、住み続けることができるレベルでは考えられていないということです。

最近の大地震では、余震が続くケースが多いため、耐震等級は高いに越したことはなく、予算に余裕があれば、耐震等級3に加えて、地震のエネルギーを吸収する制震ダンパーも付いている方が理想的です。

熊本地震が変えた耐震の考え方

それまでの建築業界では「新耐震基準(等級1)なら1回の大地震には耐えられる」と考えられていました。しかし、熊本地震では「震度7が立て続けに2回」発生したため、1回目でダメージを負った建物が2回目で倒壊するケースが続出しました。つまり、2000年基準で建築された住宅は、耐震的には不十分と考えられるようになりました。多くの建売住宅は、建築基準法の足切り基準つまり耐震等級1相当で建築されています。熊本地震のケースでは、確実に命を守れる保証はないということが証明されました。

その中で耐震等級3の建物が耐え抜いた実績は、「これからの住宅は等級3がスタンダードであるべき」という現在の家づくりの潮流を決定づけるものとなりました。

参考:国土交通省 熊本地震  木造建築物の倒壊の原因分析

新築建売・売建(建築条件付き土地)のほとんどは耐震等級1相当

大手建売では2017年くらいから、耐震3と住宅性能評価を標準で付けるようになりました。大手以外は耐震1が普通です。大手でない建売住宅であれば、耐震1相当の可能性が非常に高いです。

耐震等級を3にすると、建築コストが一気に上がります。そのため、コスパを重視する新築建売では、耐震等級1相当である可能性が非常に高くなります。広告を見たときに、建売・売建で耐震等級のアピールがないのであれば、確実に耐震等級1相当である確率が非常に高いです。

耐震等級3はできれば、欲しいところです。

耐震等級1は、 命は守れるが、住み続けることができるレベルでは考えられていない!

また、新築戸建てではなく、中古戸建てを探すとき、ポイントになるのが建築基準法がいつ改正されているのかを意識して購入する必要があります。大きくは、1981年の新耐震基準、その次に2000年基準で改正されより厳しくなっています。耐震等級3ではないにしても、耐震のレベル的に2000年以降の物件の方がまだ安心できるという目安になります。

購入前に知っておくべき【耐震基準の遷移】
1981年:【新耐震基準】地震に「耐える」基準へ、壁量・耐力計算を厳格化
1978年の宮城県沖地震を受け、基準が根本から見直されました。
旧耐震: 震度5程度で損傷しないこと。
新耐震: 震度6強・7でも建物が崩れず、中にいる人の命を守ることが目的
2000年:【阪神大震災・2000年基準】木造大改正、地盤調査が実質義務化、接合金物の義務化、壁のバランス規定、基礎の強化
阪神・淡路大震災では新耐震基準の家でも被害が出たことから、木造住宅の弱点を補強するルールが追加されました。
地盤: 地盤の硬さに応じた基礎の設計が必須に。
バランス: 壁の配置(耐力壁)のバランス計算が義務化(四分割法)。
2025年:【4号特例縮小】耐震+省エネ+審査厳格化、環境と安全の「ダブルチェック」へ
※構造に関しては設計士の倫理観にゆだねられていて2005年「姉歯事件(耐震偽装事件)」2006年「大手ハウスメーカーの不正」の原因となり、ようやく法改正。
住宅の質を底上げするための大きな改正です。壁量計算の基準の見直しも行われ、壁量が大幅に増えています。
4号特例の縮小: これまで2階建て木造住宅は構造計算関係の提出が不要(特例)でしたが、今後は審査が必要になり、「構造の安全性」がより公的に証明されるようになります。
省エネ義務化: これまでは「努力目標」だった断熱性能などが、省エネ適合住宅でないと着工できなくなりました。2030年からZEH水準義務化予定

耐震レベルが高い家を選ぶポイントと着眼点

家選びをするにあたって、耐震レベルを考える時、最低限知っておいて欲しいポイントと着眼点です。

耐震ポイント1「建物は軽いほうが耐震性が良い」

屋根の重さによって必要となる耐力壁の量が大きく変わります。屋根が軽いほうが必要壁量が少なくて済み、耐震性が良いということになります。

また、地震の力は建物の重さによって決まります。建物自体が軽いほどに耐震性が良くなります。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べても圧倒的に軽いのが木造の最大の特徴です。
つまり、しっかりと間取りや構造を考えれば木造は最も耐震性能を強化することができます。

地震の力(地震力)は、「建物の重さ × 加速度」で決まります。

  • 軽い建物: 地震のエネルギーをそもそも受けにくいため、柱や梁への負担が小さくなります。
  • 重い建物: 瓦屋根や重い外壁などは安定感がありますが、振り子の原理で大きく揺れやすく、それを支えるために壁をさらに増強する必要があります。
  • 着眼点: 金属屋根(ガルバリウム鋼板など)を選んだり、上階を軽くしたりする「重心の低さ」が有利に働きます。

建売住宅では、耐震性とコスト面から瓦より軽いスレートやアスファルトシングル等を利用することが多いです。

耐震ポイント2「耐力壁の量は、多いほうが耐震性が良い」

木造住宅においては、耐力壁は多ければ多いほど耐震性能としては有利に働きます。そのため、大地震の被害が発生するごとに、耐力壁の必要量が改定されてきました。また、現在では最低基準の耐震等級1の上に耐震等級2、耐震等級3が設けられています。

また、2000年基準では、耐力壁の量だけでなく、耐力壁の配置のバランスも重要だということで、配置バランスも強化されています。

壁量:耐力壁の量。地震力に対する必要壁量の計算方法が定められています。
壁倍率:耐力壁の強さを表す数値のことで、建築基準法施行令第46条で0.5~5まで定められています。
木造住宅の壁量=壁倍率×壁の長さ

制震ダンパーの中には、耐力壁としての認定を取得出来ていない商品や壁量倍率が低かったりする商品があるので、注意が必要です。

耐震ポイント3「耐力壁や耐震金物は、バランスが重要」

耐力壁と耐震金物はとにかくバランスが大事です。
耐力壁とは、地震などによる水壁方向から加わる力に対抗するため、柱と柱の間に「筋交い」を入れたり、「構造用合板」などを施したりした壁のことです。

耐力壁のバランスの重要性が見直されたのは、1995年の阪神・淡路大震災がきっかけでした。阪神・淡路大震災では、大量の木造住宅が倒壊し、多くの命が犠牲になりましたが、これは耐力壁がアンバランスに配置されていたことが一因だと判明しました。耐力壁の量が足りていたとしても、一部に集中した配置の住宅は大きな被害を招きます。

震度7クラスの大地震では、しばしば土台から柱が引き抜かれて倒壊した事例が多数確認されます。これは、横揺れが生じた時に生じる「圧縮力」と「引抜力」が関係します。

大地震によって強い横揺れが生じると、耐力壁の両端の柱に圧縮力と引抜力がかかります。この横揺れ引抜力が強く働くと、ホールダウン金物が適切に配置されていない状態では、柱が引き抜かれてしまい、倒壊してしまうのです。

これを防ぐため、2000年基準の法改正では柱と土台をつなぐホールダウン金物の設置が義務付けられました。この「N値計算」によるホールダウン金物の設置義務は、大地震への備えとして重要な役割を果たしています。

直下率(バランス):計算上の数値に現れない強さ

耐震等級が同じ「3」でも、「1階と2階の壁や柱が同じ位置にあるか(直下率)」で、実際の壊れにくさは変わります。

  • 直下率が高い: 2階の重さがスムーズに1階へ伝わるため、構造が安定します。
  • 直下率が低い: 2階の柱の下に柱がない(梁で受ける)状態だと、地震時に梁に大きな負荷がかかります。
  • 着眼点: 柱の直下率60%以上、耐力壁の直下率50%以上が一つの目安です。

耐震ポイント4「床の耐震性能」

「床の耐震性」も耐震性能に欠かせない重要な要素です。
地震の揺れにより上部に加わる横からの力を、下部にある壁にうまく伝えることができません。そのような場合を回避するためにも、壁量に応じた「床倍率」が必要になります。床倍率とは床の強度を表したものであり、耐震等級2以上から必要になります。

壁と床は常につながっているため、耐力壁が地震に対抗して踏ん張るためには、強く踏ん張れるだけの強い床が必要となります。耐力壁に地震力をバランスよく受け流す上で、水平構面の耐力(床の耐震性)も同じぐらいに重要です。

具体的には水平構面に十分な耐力があれば、家じゅうの耐力壁にバランスよく地震力を分散してくれます。特に耐力壁の配置バランスが悪い建物では、水平構面が踏ん張ることで、バランスよく耐力壁にかかる力を分散する必要があります。こういった場合に、もし水平構面が耐力壁よりも貧弱だった場合、建物に大きな地震力がかかった際に、耐力壁が耐える前に水平構面、つまり床が壊れてしまい、本来の耐震性能を発揮することができません。

水平構面(床の耐震性):意外な盲点

「壁」の強さに注目しがちですが、実は「床の強さ」が重要です。

  • 理由: 地震で壁が踏ん張るためには、まず床(天井面)が歪まずに地震の力を各壁へ均等に伝えなければなりません。床が柔らかいと、壁が強くても家がねじれてしまいます。
  • パネル工法の強み: パネル工法は床・壁・屋根が一体となる「モノコック構造」のため、この床の強さ(剛性)が非常に高いのがメリットです。
  • 着眼点: 「火打ち金物」だけでなく、厚い構造用合板を直接打ち付ける「剛床(ごうしょう)仕様」になっているかを確認すべきポイントです。

耐震等級2、耐震等級3の場合は、床倍率という形で水平構面の耐力を計算する必要があるため、水平構面の耐力が担保されます。

基準法の最低基準(耐震等級1)の場合、水平構面に関する計算は行われません。

耐震等級2、耐震等級3の場合は、床倍率という形で水平構面の耐力を計算する必要があるため、地震による水平構面の耐力が担保されます。


基準法の最低基準(耐震等級1)の場合、水平構面に関する計算は行われないので、地震の耐力は担保されません。

最近の大手建売は、住宅性能評価書をW取得しています。その住宅性能評価書の中に耐震等級がどのレベルかの記載があります。ちなみに耐震等級3の場合、地震保険が半額になり安くなります。

耐震ポイント5 基礎と地盤:すべてを支える土台が大切

どんなに建物が強くても、足元が弱ければ意味がありません。

  • 着眼点: 地盤調査結果に基づいた適切な地盤改良が行われているか。また、前述の「引き抜き力」に対応した基礎の配筋(鉄筋の太さや間隔)がなされているか。

盲点:基礎の強さ 後述でも説明しますが、耐震レベルの計算は3つのレベルがあり、壁量計算や性能表示計算では、基礎の設計は「仕様規定(あらかじめ決まったルール通りに作る)」であることが多いですが、許容応力度計算をすると、「その土地と建物の重さに合わせた専用の基礎設計」になります。複雑な間取り等の場合、壁量計算や性能表示計算では、 不十分な可能性があります。

耐震等級3相当と、耐震等級3は大きな違いがある!

物件の広告で「耐震等級3相当」という言葉をみたことがあるかもしれません。耐震等級3相当の家とは、「住宅性能評価機関への申請はしていないが、耐震等級3と同等の耐震性を持つ物件」のことを指します。 一般的な新築建売は、住宅性能評価を受けていないので、耐震等級1相当ということになります。
地震に強い家にするためには、間取りも耐震に影響してくるため、構造計算などの耐震性を測定するための基準が設けられており、それをクリアしないといけません。
正式な耐震等級3の基準を受けるには、住宅性能評価機関による正式な審査に合格しなければなりません。しかし、正式な検査をするには数十万円の費用が掛かります。その為、正式な検査は受けていないが、耐震等級3の認定を受けている建物と同レベルの建築部材を使用するなどして、少しでも住宅コストを下げようと、あえて耐震等級の審査を受けず安く住宅を提供することを選ぶケースがあります。どういう意図でそうなっているのか確認が必要です。

長期優良住宅を活用するか、住宅性能表示制度を活用するかのいずれかで、耐震等級3を担保することができます。所詮、耐震等級3相当は、法的根拠はなく耐震等級3に似せて独自の解釈で、勝手に耐震等級3相当と謳っているにすぎません。

耐震等級1は建築基準法で定められている最低基準のため、認定を受ける必要はありません。しかし、耐震等級2や3は、住宅性能評価機関で、審査に合格しないと認定されません。

木造2階建ての住宅については構造計算(許容応力度)は不要!

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耐震レベルの計算の仕方は大きく3つある

【許容応力度計算の等級3】>【性能表示計算の等級3】>【壁量計算(建築基準法)での等級3】

【建築基準法の壁量計算】による耐震等級3では【許容応力度計算】で計算すると耐震等級2以下の可能性もあるといわれています。
【性能表示計算】は、品確法に基づいた構造計算で、単に建物の強度を測るだけでなく、長期優良住宅の認定・住宅性能評価を受けるための基準になっています。
性能表示制度で求められる壁量設計は、許容応力度計算を行った場合と同程度の必要壁量が求められるため、構造計算(許容応力度計算)を行った場合と同じ程度の壁量になるといわれています。
知っておくべきは「建築基準法の壁量計算」と「性能表示の壁量計算」は異なった式を使っているということです。多くの2階建の新築建売は建築基準法の足切り基準(建築基準法の壁量計算)で建築されていますが、 性能表示計算・許容応力度計算での耐震等級1の強度はなく耐震等級1未満となります。

「壁量計算」は、揺れに対する壁の量のみを考慮する簡易的な方法です。壁量計算では、住宅にかかる水平の力に対して「必要な耐力壁の量を満たしているか」を調べます。

「許容応力度計算」は、壁量計算よりも細かく複雑な計算方法です。建物を作る柱や壁などの部材が、地震や風などに対してどのくらいの荷重まで耐えられる強さがあるのか(許容応力)を計算します。

同じ壁量である場合、許容応力度計算の方がバランスよく壁を配置できるため、より強い構造にすることが可能です。

3つの計算手法と「強さ」の序列

木造住宅の耐震性を決める計算には、大きく分けて3つのレベルがあります。

  1. 壁量計算(仕様規定): (最弱)建築基準法レベル。図面に線を引いて壁の長さを測る簡易的なもの。
  2. 性能表示計算(品確法): 住宅性能評価機関が用いる計算方法。壁量計算に「床の強さ」などの項目を加えたもの。
  3. 許容応力度計算(構造計算):(最強) 柱、梁、床、土台、基礎のすべてにかかる力を個別に算出するもの。

木造三階建ての建物を建てる場合は、許容応力度計算(構造計算)を行う事になります

建築確認では、どの計算を用いてもよいため、計算方法によって耐震性に差が生まれます。また、建築基準法には、構造計算(許容応力度計算)を不要となっており、木造2階建ての住宅については構造計算(許容応力度)の必要がありません。だから、建築基準法ギリギリで建てられている2階建ての建売住宅や売建住宅のほとんどは、構造計算(許容応力度)はされていません。

2025年4月の法改正(4号特例の縮小)で何が変わった?

2025年(令和7年)4月以降、建築確認申請のルールは大幅に厳格化されましたが、全ての2階建てに構造計算(許容応力度計算)が法律で義務付けられたわけではないということを勘違いしないことが大切です。

これまで、一般的な木造2階建て住宅は「4号建築物」と呼ばれ、建築士が設計していれば構造審査が大幅に省略されていました(4号特例)。 しかし、2025年4月からはこの区分が変わり、2階建て以上の木造住宅は「新2号建築物」となります。構造審査の書類が必要になったという変化であって、構造計算(許容応力度計算)が必要になったということではなく壁量計算の書類の提出が必要になりました。

  • 変わること: 構造に関する図面(壁量計算書など)を審査機関に提出し、チェックを受けることが義務化されます。
  • 変わらないこと: 確認申請に必要な計算レベルは、基本的にはこれまでと同じ「壁量計算(仕様規定)」で良いとされています。

「許容応力度計算」と「壁量計算」の違い

法律が求めている最低限の基準と、より詳細な計算(許容応力度計算)には大きな差があります。

  • 壁量計算(法律上の最低ライン): 「地震に耐える壁がどれだけあるか」を簡易的に出す計算です。多くの工務店がこれを用います。
  • 許容応力度計算(構造計算): 柱一本、梁一本にかかる力を全て数値化して検証する、非常に精緻な計算です。耐震等級3を確実に取得したり、大きな吹き抜けを作ったりする場合には、この計算が事実上必須となります。

許容応力度計算(構造計算) が「義務化」されている範囲

法改正によって、以下のケースでは許容応力度計算(構造計算)が必要になります。

  • 延べ面積が300㎡を超える木造住宅
  • 3階建て以上の木造住宅
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造などの建物

一般的な30坪〜40坪程度の「木造2階建て」であれば、法律上はまだ「壁量計算」で審査を通すことができます。3階建てについては、1987年(昭和62年)の法改正によって 許容応力度計算(構造計算) がルールになっています。

豆知識:2000年基準の重要性 ちなみに、ホールダウン金物の設置が実質的に義務化されたのは2000年(平成12年)の法改正からです。それ以前の3階建ては、構造計算はしていても、現在の基準から見ると金物の配置などが甘いケースもあります。

最近多くなったパネル工法と「構造計算」

パネル工法(枠組壁工法)など を扱う注文建築の大手ハウスメーカーの中には、独自の基準として全棟「許容応力度計算」を標準化している会社も多いです。

  • 法律上の義務: 300㎡以下なら「壁量計算」でもOK。
  • 安心の基準: 多くの専門家は、2階建てであっても「許容応力度計算」を行うことを推奨しています。

「引き抜き力」の負荷がかかることを考えると、パネル工法のような高性能な家ほど、簡易的な壁量計算ではなく、許容応力度計算を行って、正確にホールダウン金物の強度を割り出すのが、その性能を100%引き出すための正攻法といえます。

ご質問ありがとうございます。2025年の法改正(壁量の強化)と、それに対する性能表示計算の立ち位置、そして具体的な費用について整理します。

2025年からは「壁量増」だが性能表示計算では足りないのか?

2025年以前と比較すると、「壁の量」だけで見れば性能表示計算(耐震等級3)でもかなり安全側にはなりますが、それでも許容応力度計算には及ばない領域があります。

2025年からの改正では、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの普及により、太陽光パネルや断熱材で「重くなった家」を支えるため、建築基準法で定められた最低限必要な壁の量(壁量係数)が約1.4倍に引き上げられています。

  • 性能表示計算(耐震等級3): 壁の量はさらに多く(旧基準の1.8倍以上)確保されます。しかし、あくまで「壁の量」と「配置のバランス」を簡易式で出すのみです。
  • 「足りない」と言われる理由: 性能表示では、梁(はり)の太さ、柱のめり込み、基礎の具体的な鉄筋量、そして「引き抜き力」の詳細な計算が行われません。

「壁はたくさんあるけれど、それを支える梁や基礎が本当に最適か?」という家全体のバランスを数値で証明できないのが性能表示計算の限界です。

耐震等級レベルや計算方式はどれを選ぶべきか

一番安心して購入できるのは、許容応力度計算の耐震等級3になります。しかし、その基準で家を探す場合、注文住宅で大手ハウスメーカーで建築することが条件となります。

注文住宅で建築する場合で、「パネル工法の強さを最大限に活かしたい」「ホールダウン金物が本当に抜けないか確証を持ちたい」とお考えの方は、30万円前後の追加費用を払ってでも「許容応力度計算」を行う価値は十分にあります。

しかし、建売住宅の場合、そのようなオプションはありませんし、対応してくれません。コスパ優先で検討する場合、建売住宅一択になりますが、2026年現在、建売住宅で一番条件がいいのが、住宅性能評価計算での耐震等級3となります。ほとんどの建売は、建築基準法の足切り基準で建築されています。ただ、熊本地震での事例を考えると、最低限、住宅性能評価計算での耐震等級3は必要なレベルです。

  • 性能表示計算で十分な人: 複雑な間取り(大きな吹き抜けなど)がない。 重い屋根(瓦など)や太陽光パネルを載せない。
  • 許容応力度計算にすべき人: 吹き抜けや大きな窓がある。重い屋根(瓦など)や太陽光パネルを載せる。とにかく「数値的な根拠」を持って安心したい。
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