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近年20代の方の持ち家比率が急上昇しています。一方、40代の方は、物件価格の高騰で、躊躇する傾向があります。そもそもインフレ時代にはインフレ時代の買い方があり、着眼点があります。インフレ時代の家の買い方を不動産業界歴20年以上のプロが解説していきます。
20代の人は持ち家率がなぜ高いのか?

20代(特に2人以上の世帯)の持ち家率は、ここ20年ほどで2倍近くに上昇しており、直近のデータではおよそ3割強(約35%)と過去最高水準を記録しています。若い世代の「マイホーム離れ」というイメージとは裏腹に、実際には3世帯に1世帯が家を購入している計算になります。
20代の持ち家率がここまで高くなっている背景には、経済的な環境の変化と、彼らならではの合理的な価値観が大きく影響しています。
主な理由は以下の4点です。
1. 「共働き(ペアローン)」による世帯年収の増加
現在の20代は共働きが当たり前の世代です。優秀な人材を確保するための初任給引き上げもあり、20代の平均年収自体が底上げされています。 さらに、夫婦2人の収入を合算してローンを組む「ペアローン」を活用することで、20代であっても都市部の高額な物件に手が届くようになり、購入のハードルが大きく下がりました。
2. 「家賃を払い続けるのはコスパが悪い」という合理性
Z世代を中心とする若い世代は、非常にコストパフォーマンス(タイパ・コスパ)を重視します。 「生涯で支払う住居費」をシミュレーションした際、いくら払っても自分のものにならない賃貸の家賃を「掛け捨てのコスト」と捉え、「同じ金額を払うなら、若いうちからローンを払って資産にした方が得だ」と判断する人が増えています。
3. 「家=一生モノ」ではなく「資産形成」という意識
上の世代はバブル崩壊後の地価下落を経験しているため「家を買うのはリスク」と考えがちでした。しかし、今の20代は物心ついた頃から不動産価格が上昇・安定している地合いしか見ていません。 そのため、家を「一生添い遂げる場所」ではなく、「いざとなったら売却・賃貸できる資産」として捉えています。資産運用の知識(NISAなど)が豊富な世代でもあるため、住宅購入を確実な資産防衛策(インフレ対策)の一環として選ぶ傾向があります。
4. 住宅ローンの超低金利と「50年ローン」などの登場
歴史的な低金利環境が続いていることに加え、近年は完済時年齢の上限緩和に伴い、「40年ローン」や「50年ローン」を扱う金融機関が増えました。 20代という若さがあれば、超長期のローンを組んで毎月の返済額を賃貸の家賃以下に抑えつつ、予算を上げて理想の物件を買いやすくなっています。また、35年ローンであっても20代で組めば「定年退職前に確実に完済できる」という安心感も大きな後押しになっています。
将来のライフプランとのバランス 20代での住宅購入は「老後の住居費負担がなくなる」「資産が早く築ける」という強力なメリットがある反面、転勤や出産といったライフスタイルの変化に縛られやすくなるリスクもあります。そのため、最近の20代は「もしもの時に高く売れる(貸せる)駅近などの好立地」をシビアに選んで購入する傾向が強くなっています。この考え方は、年齢を問わず大切です。
インフレ時代に生きていることが持ち家比率の高さにつながっている

現在20代の人が「インフレ時代」をリアルタイムで生き、それを肌で感じていることは、持ち家比率が上昇している非常に大きな要因になっています。
インフレ環境下では、お金の価値やモノの価値に対する捉え方が上の世代とは根本的に変わります。なぜインフレが20代の背中を押してマイホーム購入に向かわせているのか、そのメカニズムは大きく4つに分解できます。
1. 「お金の価値」が目減りすることへの危機感
インフレとは「モノの値段が上がり、通貨(現金)の価値が下がること」です。 今の20代は、投資信託(NISAなど)を通じて若いうちから資産防衛を学んでいる人が多い世代です。彼らは「現金のまま銀行に預けておいても、インフレで実質的に目減りしていくだけだ」というリスクをよく理解しています。 そのため、価値が下がり続ける「現金」を、インフレに強い実物資産である「不動産(持ち家)」に組み替えることで、自分の資産を守ろうとする意識が働いています。
2. 「家賃」や「物件価格」の上昇リスクを回避するため
賃貸派にとってインフレの最大の脅威は「家賃の上昇」です。物価や管理コスト、地価が上がれば、更新のタイミングで家賃が引き上げられるリスクが常に付きまといます。 また、都市部のマンションを中心に物件価格もどんどん上がっています。「来年になったらもっと高くなって、買えなくなるかもしれない」という「今買わないと損をする」という心理(機会損失への恐怖)が、購入の決断を早めさせる強力なトリガーになっています。
3. 「借金(住宅ローン)」がインフレで実質的に軽くなる
ここがインフレ期の面白いところで、実は「固定された借金は、インフレが進むほど実質的な価値が目減りして楽になる」という性質があります。 例えば、3,000万円のローンを組んだとします。今後さらにインフレが進んで世の中の物価や給与水準が1.5倍になったとしても、かつて借りた「3,000万円」というローンの額面は変わりません。額面が変わらないまま自分の給料(額面)が上がっていけば、毎月の返済負担は相対的にどんどん軽くなっていきます。
4. 低金利が続くうちは「変動金利」でレバレッジをかける
インフレ期には通常、中央銀行が金利を上げますが、日本の住宅ローン(特に変動金利)は依然として歴史的な低水準を維持しています。 20代の購入者は、この「物価や物件価格は上がるのに、借りるコスト(金利)はまだ安い」という歪み(タイムラグ)を非常に冷静に見ています。超低金利で数千万円の資金を調達し、それを値上がりしていく不動産という資産に変える。この「レバレッジ(テコの原理)」を利かせた資産形成の合理性を、若い世代ほどスマートに受け入れています。
まとめ:インフレ時代のゲームのルール デフレ時代は「現金を持ってじっとしていること」が正解でしたが、インフレ時代は「価値の上がる資産に早く乗換えること」が正解になります。 今の20代の持ち家比率の高さは、単に「家が欲しい」という動機だけでなく、インフレという新しい経済ゲームのルールに最も早く適応した結果だと言えます。
40代は持ち家比率はどうなっているのか

40代の持ち家率は、総務省の最新の統計(住宅・土地統計調査)によるとおよそ58%です。
全体の半数以上が家を所有しているため、数字だけで見ると「低い」とは言えません。むしろ、この40代(50%台後半)になって初めて持ち家率が過半数に達するのが日本の現在のスタンダードです。
しかし、「歴史的な変化」という視点で見ると、今の40代の持ち家率は著しく低下していると言えます。
今の40代の持ち家率が抱える特殊な状況について、詳しく紐解いてみましょう。
1. 30年前と比べると「約10ポイント」も急低下している
実は、30年前(1990年代前半)の40代の持ち家率は約7割(70%弱)ありました。そこから比較すると、現在は10ポイント前後も下がっており、全世代の中で50代と並んで最も大きく持ち家率が落ち込んでいる世代なのです。
全体平均(全世代)の持ち家率はここ数十年ずっと約60%前後で横ばいを維持しているため、40代・50代の落ち込みがいかに際立っているかが分かります。
2. なぜ今の40代の持ち家率は下がったのか?
これには、この世代が社会に出た時期の経済環境、いわゆる「就職氷河期(ロストジェネレーション)」の影響が色濃く出ています。
- 不安定な雇用と収入の伸び悩み: 20代〜30代の「家を買う最初の適齢期」が就職難や非正規雇用の拡大、給与の停滞期と完全に重なりました。これにより、住宅ローンの審査に通らなかったり、長期の固定固定費を背負うのを躊躇せざるを得なかった人が多く存在します。
- 未婚率の上昇: 経済的な理由などから単身にとどまる人が増えたことも、ファミリー層向けが中心だった住宅購入の比率を押し下げる要因になりました。
- 住宅価格の高騰という「二重苦」: 40代になり、収入が落ち着いて「そろそろ家を…」と考え始めた2010年代半ば以降、今度は都市部を中心にマンションや一戸建ての価格が右肩上がりに急騰し始めました。手が出しづらい価格帯になってしまったという不運なタイミングも重なっています。
3. 「活発な20代」と対照的になっている
前述したように、今の20代はインフレを前提とした合理的な視点から「ペアローン」や「50年ローン」を駆使して20代のうちから積極的に買いに走っています。
一方で、今の40代は社会人になってから長い間「デフレ(物価も給料も上がらないのが当たり前)」の時期を過ごしてきました。そのため、「多額の借金を背負うのはリスクだ」「家は値下がりするものだ」というデフレマインド(慎重な姿勢)が骨身に染みている人が多く、それが20代との行動の差(20代は上昇傾向、40代は低下傾向)となって現れています。
40代から家を買う場合の現実的なハードル 40代は、20代に比べて資金力(頭金)や社会的信用がある反面、「ローンの完済年齢」というタイムリミットが迫ってきます。 一般的な35年ローンを組むと完済が70代後半〜80代になるため、定年退職(60歳〜65歳)の時点で「残債がいくらあるか」「退職金や貯蓄で繰り上げ返済できるか」をシビアに逆算する必要があり、若年層とはまた違った戦略が求められる年代です。
住宅ローンには期限がある!有効に使わなければいけない!

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住宅ローンには「年齢」という非常にシビアな期限が存在します。
住宅ローンは数千万円という大金を借りるため、金融機関は「何歳までに返し終わるか」を厳格にチェックします。この期限を意識できているかどうかが、家選びや資金計画の成否を分ける最大のポイントになります。
具体的には、住宅ローンには3つの「年齢の壁(期限)」があります。
1. 完済年齢の壁(タイムリミットは「80歳」)
ほとんどの金融機関で、ローンを返し終わらなければならない年齢(完済時年齢)の上限は「満80歳の誕生日の前日まで」と定められています。
これは絶対的な期限であるため、逆算すると、最長の35年ローンを組むことができるのは「44歳(45歳の直前)まで」ということになります。 45歳を過ぎてからローンを組もうとすると、借入期間が34年、33年…と短くせざるを得ず、その分「毎月の返済額」が跳ね上がってしまいます。
2. 定年退職の壁(実質的な返済期限は「65歳」)
金融機関のルール上の期限は80歳ですが、私たちの現役生活における実質的な期限は「定年退職(65歳前後)」です。
40歳で35年ローンを組むと、完済は75歳になります。65歳で退職した後の10年間、収入が激減(または年金のみ)した状態で、現役時代と同じ重さの住宅ローンを払い続けるのは非常に危険です。「退職金で一括返済すればいい」と考えがちですが、今の時代、退職金を丸ごとローンの返済に充ててしまうと、今度は老後資金が枯渇するという別のリスクが生まれます。
3. 健康状態の壁(団信の期限)
住宅ローンを組む際は、原則として「団体信用生命保険(団信)」への加入が義務づけられています。これは、契約者に万が一のことがあった際、ローンの残りがゼロになる保険です。
年齢が上がれば上がるほど、健康診断で引っかかったり、持病(高血圧、糖尿病など)を抱えたりするリスクが高まります。もし健康上の理由で団信の審査に落ちてしまうと、どれだけ年収が高くても、住宅ローンの融資そのものが受けられなくなってしまいます。これも立派な「健康上の期限」です。
世代別の「期限」との向き合い方
年齢という期限があるからこそ、先ほどお話しした「20代」と「40代」で、住宅ローンの戦略は真逆になります。
| 世代 | 年齢のメリット | 課題と戦略 |
|---|---|---|
| 20代 | 時間の猶予が最大の武器 35年ローンを組んでも60代前半で自然に完済できる。 | ライフステージの変化(転職・結婚・出産)に対応できるよう、売却しやすい資産価値の高い物件を選ぶ。 |
| 40代 | 資金力と信用が武器 頭金を用意しやすく、現在の年収も高い。 | 期限が目の前に迫っている 返済期間を短くするか、65歳時点での「残債」を計算し、現役時代に前倒しで繰り上げ返済する計画が必須。 |
住宅ローンは「いくら借りられるか(年収)」に目が行きがちですが、それと同じくらい「あと何年現役で働けるか(年齢)」という期限の視点が、破綻しない計画を立てるためには不可欠です。
インフレ時代の不動産の買い方は?
インフレ時代における不動産の買い方は、デフレ時代(安くなるまで待つ、とにかく安さを重視する)とはルールが180度変わります。
インフレ期は、物価や建築費、土地代が上昇する一方で、住宅ローン金利も緩やかに上昇を始める「転換期」です。この時代に資産を減らさず、むしろ守り育てるための買い方は、次の5つの戦略に集約されます。
1. 「安さ」ではなく「流動性(売りやすさ・貸しやすさ)」を最優先する
インフレ時代は、不動産の「二極化(地域格差)」が強烈に進みます。 需要が集まる「駅近」「都市部」「再開発エリア」はインフレの波に乗って価格や家賃が上昇しますが、駅から遠い郊外や人口減少エリアは、インフレ期であっても価値が上がらないどころか下落することがあります。
- デフレ期の買い方: 「予算に合わせて、少し不便でも広い郊外の家を安く買う」
- インフレ期の買い方: 「予算に合わせて、少し狭くても『いざとなったら当時の価格とトントン、あるいはそれ以上で売れる(貸せる)』駅近・好立地を買う」
「一生住むから売らなくていい」と思っていても、インフレ期には「価値の上がる場所」に資産を置いておくこと自体が最大のインフレ対策になります。
2. 「新築」にこだわりすぎず「築古・中古」も視野に入れる
現在、ウッドショックや人件費の高騰、さらに建築基準(省エネ基準)の厳格化などが重なり、新築の建築コストは高止まりしています。 新築は業者の利益(プレミアム)が乗っているため、インフレ局面では割高感が強くなりがちです。
そこで賢い選択肢となるのが「立地の良い中古物件(マンション・戸建て)」です。 建物はリノベーションで新しくできますが、立地(土地)は後から変えられません。「新築の郊外」よりも「中古の駅近」を選ぶ方が、インフレ期には圧倒的に資産価値を維持しやすくなります。
3. 金利上昇を見据えた「返済比率」のシビアな設定
インフレが進むと、中央銀行は金利を上げる方向に動きます。すでに日本の住宅ローン金利(固定・変動ともに)も緩やかな上昇基調に入っています。
これまでは「超低金利だから年収の限界まで借りる」という戦略が通用しましたが、インフレ期は「金利が1〜2%上がっても家計が破綻しないか」をシミュレーションしておく必要があります。
- 年収に対する年間返済額の割合(返済比率)を、限界の35%~40%ではなく、できれば30〜35%以内に抑える。(シビアに見すぎると物件がないというジレンマになってしまいますが・・)
- ペアローンを組む場合も、どちらか片方の収入が減っても維持できるか、バッファを持たせる。
4. 「待てば安くなる」というデフレ脳を捨てる
「今は高いから、数年待って価格が下がったら買おう」という待ちの姿勢は、インフレ期には裏目に出ることが多いです。 建築資材や人件費は、一度上がるとそう簡単には下がりません。また、待っている間にも「家賃」という掛け捨てのコストを支払い続けることになります。
条件に合う(立地が良い)物件が見つかったのであれば、金利や価格がさらに上がる前の「今が一番若い(長期ローンが組める)タイミング」と捉えて決断する方が、結果的にトータルの住居費を抑えられます。
5. 税制優遇や「住宅の性能」を賢く利用する
インフレで物件価格が上がっている分、国も「住宅ローン減税」や各種補助金(子育て世帯向け、省エネ住宅向けなど)による支援を行っています。 また、断熱性能や省エネ性能(ZEH水準など)が高い家は、購入時の初期費用は上がりますが、インフレで高騰する「毎月の電気代・ガス代(光熱費)」を長期的に抑えるという強力なランニングコスト削減につながります。
まとめ:インフレ期の不動産購入の合言葉
インフレ時代の買い方は、一言で言えば「インフレの波に乗れる『強い味方の資産』を、買える範囲の身の丈に合ったサイズで、早めに手に入れる」ということです。
「安いから」という理由だけで妥協した物件を買うのだけは避け、多少小ぶりでも「場所が良い物件」を選ぶことが、これからの時代を生き抜く不動産戦略になります。
一度インフレモードになるとなかなかデフレには戻らないのか?

結論から言うと、世界的な歴史を見ても、一度本格的な「インフレモード」に火がつくと、そう簡単にはデフレ(物価が下がり続ける状態)には戻りません。
むしろインフレというのは、一度始まると「物価が上がる → 給料を上げざるを得ない → コストが上がるからまた物価が上がる」というサイクル(賃金・物価のスパイラル)が自律的に回ってしまうため、非常に粘着質でしぶとい性質を持っています。
では、インフレはどのような「サイクル(周期)」で動くのか、過去の歴史と現在の状況から分かりやすく解説します。
1. そもそもデフレに戻らない理由:「価格の硬直性」
経済学には「下行硬直性(かこうこうちょくせい)」という言葉があります。 モノの値段や従業員の給料は、上げるのは簡単ですが、「一度上げたものを下げるのは極めて難しい」という性質のことです。
- 人件費や家賃は下がらない: インフレに合わせて一度ベースアップした給料を、「物価が落ち着いたから」という理由で下げることは会社として困難です。店舗の家賃や物流コストも同様です。
- 企業のコストが固定化される: 原材料費が多少下がっても、人件費などの固定費が高止まりしているため、商品の価格をデフレ期のような安さに戻すことはできません。
つまり、インフレが収まるというのは「物価が元の安さに戻る(デフレになる)」のではなく、「高い位置で物価の上昇がストップする(高止まりする)」のが基本です。
2. インフレ・デフレの「サイクル」はどれくらい?
経済のサイクルにはいくつか種類がありますが、物価や景気に直結するサイクルは主に2つの時間軸で動いています。
① 短期的なサイクル(約10年周期:ジュグラーの波)
企業の設備投資や、中央銀行の金利政策によって生まれる波です。 インフレが行き過ぎると、中央銀行が金利を上げて景気を冷まします(これが現在の世界的な動きです)。その結果、一時的に景気が後退し、物価の上昇が緩やかになる(ディスインフレ)時期が約10年おきにやってきます。ただし、これも「物価の伸びが鈍化する」だけであって、デフレに戻るわけではありません。
② 歴史的な超長期サイクル(約50年周期:コンドラチェフの波)
技術革新、エネルギー革命、または「人口動態やグローバル化の構造変化」によって生まれる、半世紀単位の巨大な波です。
実は、日本が経験した1990年代後半〜2010年代の「20年以上の大デフレ」は、世界史で見ても極めて異例の現象でした。これは「中国などが『世界の工場』となり、世界中に安いモノを大量供給した(グローバル化)」ことと、「日本の人口減少・高齢化」が奇跡的に合致して生まれたデフレ特異日のような期間だったと言われています。
3. 私たちが今生きているのはどんなサイクル?
現在(2020年代半ば〜)の世界は、上記の「50年周期の超長期サイクル」がデフレからインフレへ完全にパラダイムシフト(大転換)した局面だと見られています。この経済のロジックを理解した上で、不動産戦略を考えるかどうかで大きな資産格差が生まれます。
理由は、デフレを作っていた前提がすべて崩れたからです。
- グローバル化の逆回転: 米中対立や地政学的リスク(戦争や紛争)により、安さ最優先のサプライチェーン(供給網)から、安全最優先の国内回帰・同盟国内での循環へとシフトし、構造的にコストが上がっています。
- 深刻な人手不足: 日本だけでなく、かつて豊富な労働力を誇った中国なども少子高齢化に突入しました。労働者が足りないため、世界中で人件費が上がり続ける構造になっています。
- 脱炭素(グリーン・インフレ): 地球温暖化対策として環境に優しいエネルギーへの移行が進んでいますが、これには莫大な投資が必要なため、電気代やエネルギーコストを構造的に押し上げます。
今後の見通しと心構え これからの時代は、一時的な景気の良し悪しで物価が上下する(10年サイクル)ことはあっても、土台としては「マイルドなインフレ(年2%程度の上昇)が当たり前に続く社会」がベースになります。
したがって、「いつか昔のようなデフレ(安い日本)に戻るだろう」と待つのは得策ではありません。「物価は上がり続けるもの」という前提に立ち、自分の資産を現金(預金)から、インフレに負けない資産(株式や好立地の不動産など)に変えて守っていくスタンスが、これからの長い人生を生き抜く上でのスタンダードになります。
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