マンションの不動産取引(旧法地上権・旧法借地権・定期借地権のマンションとは)

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地上権も貸借権も建物を所有することを目的とした借地権ですが、権利の強さに違いがあります。
地上権のマンションとは

不動産は所有権の物件ばかりでは有りません。マンションの中には地上権のマンションが数は多くないですが、チラホラ存在します。
地上権は権利形態が「物権」です。物件とは、土地があったとすると、その土地を更地の「土地」と空中上の「地上部分」に分けて、地主が土地を登記し、借主が地上権を所有する形です。
土地の所有者はいてもその土地の上に建てられている建物部分の支配権はほぼ地上権所有者が持つということになります。
地上権は借りているのではなく、「物件」と言われる、登記できる権利ですので、賃借権より非常に強い権利と言われています。
地主の承諾を得なくても地上権を登記して第三者に譲渡したり、賃貸したりすることが自由にできます。
地上権を持つことで、土地を所有しているのとほぼ変わらない権利になります。
地主にはかなり不利な契約になるので、地上権のマンションは非常に少ないです。
宝塚市の逆瀬川駅徒歩1分のアピアは、非常に珍しい地上権のマンションです。

マンションは現実問題、建て替えのハードルがかなり高いということを考えると、所有権のマンションも、地上権のマンションもさほど変わらないような気がします。
土地借地権(賃借権)のマンションとは

現在は、土地が借地権のマンションはあまり見ることはありませんが、昭和50年代のマンションではチラホラ借地権のマンションを見かけることがあります。
土地をレンタルで借りているだけで、地上権が物件であることに対し、「債権」と呼ばれています。
地主が土地に対して、登記をしてあげる義務はないので、地上権よりは弱い権利です。
しかし、土地上の建物には登記を設定できます。
ただし、旧法借地権の賃借権の場合でも、建物が老朽化して朽廃することがなければ、権利をはく奪されることはなく、更新ができますので、「正当事由」がありよほどに地主が必要とする理由がなければ、半永久的に更新できます。
また言い換えますと、旧借地権は、存続期間の定めが無い場合、建物が老朽化し、朽廃すれば、借地権が自動的に消滅します。
第三者への譲渡についは、地上権は地主の許可無しで譲渡できますが、貸借権は地主の許可が必要です。
最近では、賃借権のマンションをみなくなりました。昭和のころ、建築されたマンションであれば、借地権のマンションに出会う可能性があります。
定期借地権のマンションとは

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定期借地権のマンションは、以外とよくあります。メリットとすると、土地にかかる費用を削減できるので、所有権のマンションより安く購入できることです。また、定借のマンションは、比較的立地がいいところに建築されていることが多い傾向があります。なかなか地主が手放さない土地を定借で折り合いをつけている印象です。
定期借地権は、平成4年8月に施行された法律で、それ以前の借地権を旧法借地権と呼んいます。定期借地権付きのマンションとは、50年後、60年後、更地にして、地主に返還します。そのため毎月、地代と解体準備金を支払います。平成12年、13年くらいから定期借地権の物件が増えてきました。印象として、ロケーションのいいところの物件が多い印象があります。ここ最近、定期借地権の物件はあまりみなくなりましたが、久しぶりに出てきた感じです。ロケーションがいいとなかなか地主も手放したくないのかもしれません。ある意味マンションの場合は、所有権でもそもそも建て替えは厳しいということを考えると、合理的な感じはしますが、下記のタワーマンションはここ最近の建築費の高騰を受け、経済的合理性から考えて、価格的には高く感じます。所有権のマンションと違って、地代と解体準備金が毎月発生しますので、余計に高く感じます。定期借地なので、更地にする期限が近づけば、近づくほど価格は落ちていくことになります。

定期借地権付きのマンションは、残存期間が少なくなると、スラム化に向かっていく可能性があります。しかし、下記の物件のように70年後更地となれば、所有権のマンションも建て替えが現実問題難しいことを考えると、さほどリスクは、変わらないような気がします。
最近は、コンクリート強度を上げたり、性能がよくなることにより100年マンションを謳った物件もありますが、維持管理次第で寿命を延ばしたり縮めたりしますので、住民の管理の意識の高さが非常に重要になってきます。
旧法の方は、土地を借りている借主の立場が非常に強く、貸した土地を返してもらい、自分の家を建てたり、収益マンションを建てようと思ったとしても、「正当事由」がないと返してもらえない。
この正当事由は、仮に明け渡し料を払ったとしても正当事由として、認められないケースも裁判で非常に多く返してもらうのが難しい。
そこで 定期借地権が、平成4年8月に施行されました。それ以前の借地権を旧法借地権と区別しています。

シエリアタワー千里中央 (定期借地権のマンションです。70年後更地)
シエリアタワー千里中央は、関電不動産開発と関西電力が大阪府豊中市の千里中央駅徒歩1分に新設した地上52階、総戸数552戸の超高層分譲マンションです。 2階には最大130席収容の「SENRITOよみうりホール」(面積100㎡)を設置しています。 設計・施工は大林組で、2016年2月に着工、 2019年2月28日に竣工しました。
★連結制振構造システム採用!
(デュアル・フレーム・システム)
★オール電化仕様!
★7基のエレベーターを設置!
★パーティールーム、スカイガーデン有り!

着工したころは、リーマンショックでの相場の底を打ち、金利の低下・人件費の高騰・建築費の高騰から、相場が上昇基調になりだした頃です。
定期借地権のマンションということを考えると千里中央駅徒歩1分とはいえ坪250万円を超えてくると高いと言わざるを得ません。再開発エリアは、相場が強くなるとはいえ、千里セルシーの建て替えがいつどうなるかまだ不透明な状況です。
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普通借地権とは 4つの大きな特徴
平成4年8月に新たに制定された「借地借家法」で定める借地権の一つで、契約更新を前提としている借地権で、地主は正当事由がなければ契約を更新しなければなりません。借地権の存続期間は当初は30年で、更新後第1回目は20年、それ以降は10年と期間が徐々に短くなります。中古市場では、地上権のマンションと同様に、普通借地権のマンションは、非常に少なく出会う確率はかなり低いですが、出会ったときにあわてないように知っておいて欲しい内容です。
①期間が来ても「自動更新」が基本(終わりがない)
法律上、最初の契約期間は30年(それ以降の更新は1回目が20年、2回目以降は10年)と決まっていますが、借主(マンションの住民側)が望む限り、基本的にはそのまま更新し続けられます。 地主側が「返してほしい」と言っても、正当な事由(自分でどうしても使う理由など)がない限り、拒絶することは実質不可能です。そのため、住み心地や寿命の面では「所有権とほぼ変わらない」感覚で住み続けることができます。
②購入価格は所有権より安い
定借ほどではありませんが、土地の所有権を買わないため、普通のマンション(所有権)よりも約1割〜2割ほど安く購入できます。好立地なのに価格が抑えられているというメリットは、借地権ならではの強みです。
③税金が安い(ランニングコストの相殺)
土地の所有権がないため、土地にかかる固定資産税・都市計画税が一切かかりません。 ただし、その代わりに毎月「地代(ちだい)」を地主に払う必要があります。また、更新の時期(30年後など)には「更新料」が発生しますが、土地の税金がかからない分、トータルの保有コストで見ると所有権と大きく変わらないケースも多いです。
④最終的に「建て替え」も目指せる
定借のように「解体」の義務はありません。建物が老朽化した場合、地主の承諾(通常は承諾料の支払いが必要)を得ることで、所有権のマンションと同じように建物の建て替えや大規模修繕を計画することが可能です。
定借・所有権との「資産価値」の違い
一番気になる資産価値(売却価格)の動きですが、普通借地権マンションは「所有権と定借の中間、どちらかといえば所有権に近い動き」をします。
- 定期借地権: 期間の経過とともに価値が下がり、最後はゼロになる。
- 普通借地権: 更新ができるため、築年数が経っても価値がゼロになることはありません。 立地が良ければ、築30年、40年経っても普通の所有権マンションと同じような中古相場で取引されます。
残存期間によるローンの制限(35年ローンが組めなくなる問題)も、普通借地権であれば「更新が前提」となるため、金融機関のローン審査も定借に比べてかなり通りやすいのが特徴です。
借地権のマンションと地上権のマンションの違いとは

「借地権」をより正確に分解すると、実は法律(民法)上は「賃借権(ちんしゃくけん)」と「地上権(ちじょうけん)」という2つの全く異なる権利に分かれます。
世の中の借地権マンションの9割以上は「賃借権」ですが、ごく稀に「地上権」のマンションが存在します。この2つのマンションは「地主の許可が必要かどうか(=自分の意思だけで自由に動かせるか)」という点で、資産価値や扱いやすさに天と地ほどの差があります。
①最大の違いは「自由度(地主の承諾が要るか)」
一言でいうと、賃借権は地主から土地を「借りている(債権)」立場ですが、地上権は土地の上に「強い支配権(物権)」を持っている状態です。
[売却(譲渡)するとき]
- 普通の借地権(賃借権): 部屋を売りたいとき、必ず地主の承諾が必要です。また、承諾を得るために「名義書換料(譲渡承諾料)」として、数百万円単位のまとまった承諾料を地主に支払うのが一般的です。
- 地上権: 地主の承諾は一切不要です。自分の意思だけで自由に第三者へ売却できます。もちろん、地主に承諾料を払う必要もありません。
[他人に貸す(賃貸する)とき]
- 普通の借地権(賃借権): 転売だけでなく、部屋を誰かに賃貸する場合も、マンションの管理規約や地主との契約内容によっては承諾が必要になるケースがあります。
- 地上権: 地主の承諾なしで、自由に他人に貸して家賃収入を得ることができます。
[リフォームや建て替えのとき]
- 普通の借地権(賃借権): 大規模なリノベーションや、将来の建て替えには地主の承諾(および承諾料)が必要です。
- 地上権: 法律上は地主の承諾なしで可能です(ただし、マンションの場合は住民間の合意形成や管理規約の縛りは通常通りあります)。
②なぜ「地上権」のマンションは少ないのか?
買い手(住民)にとってはメリットだらけの地上権ですが、市場には滅多に出回りません。理由はシンプルで、地主にとって圧倒的に不利(デメリットが大きい)だからです。
地主からすると、地上権を設定してしまうと、自分の土地なのに誰に売られようが文句を言えず、土地を完全にコントロールできなくなってしまいます。そのため、地主が国や地方自治体(公有地)、または鉄道会社などの巨大資本で、かつ特殊な事情があるケースを除いて、個人の地主が地上権でマンション用地を貸し出すことはまずありません。
③借地権と地上権の2つの権利の比較まとめ
「所有権」も含めて、それぞれの特徴を一覧で比較してみましょう。
| 項目 | 所有権 | 借地権(地上権) | 借地権(賃借権)※一般的 |
|---|---|---|---|
| 権利の強さ | 非常に強い(物権) | 強い(物権) | 弱い(債権) |
| 売却時の地主の承諾 | 不要 | 不要 | 必要(承諾料が発生) |
| 賃貸時の地主の承諾 | 不要 | 不要 | 条項により必要になる場合あり |
| 毎月の地代 | なし | あり | あり |
| 土地の固定資産税 | かかる | かからない(地主が払う) | かからない(地主が払う) |
| 市場での流通量 | ほとんどがこれ | ごく稀(激レア) | 借地権の主流 |
結論:地上権マンションは「ほぼ所有権」の感覚で買えるお宝物件
資産価値の観点から見ると、「地上権」のマンションは、ほぼ普通の所有権マンションと同じ感覚で売買できます。
次の買い手にとっても「地主の顔色を伺わなくていい」「売買時の余計なコスト(承諾料)がかからない」という安心感があるため、中古市場での値崩れが起きにくく、銀行の住宅ローン審査も非常にスムーズに通ります。
もし検討している借地権マンションが「地上権」であるならば、それは「借地権特有の売却リスクやコストがほぼ排除された、非常に好条件の物件」と言えます。
借地権のマンションと地上権のマンションの資産価値はどう違う

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「借地権のマンション」と「地上権のマンション」の資産価値には、「中盤から後半にかけての価格の下落スピード」と「売却時の手残り額」に決定的な差が生まれます。
どちらも「土地の固定資産税がかからない」というメリットは共通ですが、実務上の扱いが「賃借権(地主の許可が必要)」か「地上権(自分の意志で自由)」かで、中古市場での評価(資産価値)は大きく二分されます。
具体的にどのように資産価値が変わるのか、3つのポイントで比較してみましょう。
①資産価値の「下落カーブ」と「底値」の違い
[新築〜築浅(10年以内)]
- 地上権: 普通の所有権マンションとほぼ同等、または1割減程度の中古価格を維持します。地主の縛りがないため、立地が良ければ値上がりすることもあります。
- 借地権(賃借権): 所有権の2割〜3割安が相場です。この時点でも買い手は「将来の売却時に地主へ払う承諾料」を意識するため、地上権より一段低いスタートになります。
[築中期〜後期(築30年以降)]
- 地上権: 価値が「底値」で下げ止まります。 建物が古くなっても「半永久的にその一等地を自由に使い続けられる権利」があるため、立地に応じた一定の資産価値が残り続けます。
- 借地権(賃借権): 更新時期が近づくにつれて、売り値は下がっていきます。「次に買う人が更新料を払わなければいけない」という負担が、そのまま中古価格の値下げ圧力になるためです。
②売却したときの手残り(実質的な資産価値)の差
マンションを手放す(売却する)段階になると、帳簿上の価格だけでなく、「自分の手元にいくら残るか」という実質的な価値の差がハッキリ出ます。
- 地上権マンション: 売却価格がそのまま自分の取り分になります。地主への報告や承諾、手数料の支払いは一切不要です。
- 借地権(賃借権)マンション: 売却価格から、地主に支払う「名義書換料(譲渡承諾料)」が差し引かれます。この相場は「土地価格の数%」または「転売価格の数%」、あるいは「一律〇百万円」など、契約によって数百万〜数千万円単位になることもあり、手残りが大きく目減りします。
買い手側から見ても、借地権(賃借権)は「購入手続きに地主の承諾書が必要で、時間もコストもかかる面倒な物件」と映るため、市場価値としてはどうしても低く見積もられてしまいます。
③金融機関の評価(住宅ローンの組みやすさ)の差
資産価値を支える最大の柱は「次の人がローンを組んで買ってくれるか」ですが、ここも100対0に近い差があります。
- 地上権: 銀行は「所有権とほぼ同じ」とみなします。担保価値が高く評価されるため、築年数が古くなっても、次の買い手は35年のフルローンや低金利なネット銀行のローンを問題なく組むことができます。
- 借地権(賃借権): 銀行の審査はかなり厳しくなります。「万が一、住宅ローンが焦げ付いたときに、銀行が勝手に競売にかけられない(地主の承諾がいるため)」というリスクがあるからです。一部の地方銀行やノンバンクなどに選択肢が狭まり、金利が高くなったり期間が短くなったりするため、買い手がつきにくく、結果として資産価値が下がります。
まとめ:資産価値の比較
3つの権利の資産価値の特徴を並べると、以下のようになります。
| 項目 | ① 普通のマンション(所有権) | ② 借地権(地上権)マンション | ③ 借地権(賃借権)マンション |
|---|---|---|---|
| 中古市場での価値 | 最も高い(基準) | 所有権の9割前後を維持 | 所有権の7〜8割程度に落ちる |
| 築年数による下落 | 緩やか(土地分で下げ止まる) | 緩やか(利用権で下げ止まる) | 更新時期に向けて下落しやすい |
| 売却時のコスト | なし | なし(手残りがおおい) | 地主への承諾料(数百万円〜)が必要 |
| 次の人のローンの組みやすさ | 非常にスムーズ | スムーズ | 選択肢が狭まり、売りづらい |
もし、検討している物件のパンフレットや登記簿に「地上権」と書かれているなら、それは「借地権の『安さ』というメリットだけを享受しつつ、所有権並みの『売りやすさ・価値の残存性』を持ったお宝物件」と言えます。
定期借地権のマンションと所有権のマンションの資産価値の違い

定期借地権(定借)マンションの資産価値は、普通のマンション(所有権)と比較すると「スタートは安く、築年数の経過とともに所有権より早く下がっていき、最終的にはゼロ(更地返還)になる」という、明確に異なる値動きのカーブを描きます。
新築時、中古に回ったとき、そして終盤でどう変わるのか、段階ごとに比較してみていきましょう。
①資産価値の「下落カーブ」の違い
普通のマンションと定借マンションの資産価値(市場価格)の推移には、大きく分けて3つのフェーズがあります。
[新築〜築浅(10年以内)]
- 普通のマンション: 立地が良いと新築時より値上がりすることもあります。
- 定借マンション: 普通のマンションより約2割〜3割安く売り出されます(土地代が含まれず、消費税もかからないため)。築浅のうちは残り期間(残存期間)が十分に長いため、周辺の所有権マンションの値上がりに連動して、定借でも中古価格が上がることが珍しくありません。
[築中期(築15年〜30年)]
- 普通のマンション: 建物は古くなりますが、土地の持ち分があるため、一定のところで価格の下落が緩やか(下げ止まり)になります。
- 定借マンション: 残り期間が50年、40年と減っていくにつれて、普通のマンションよりも下落スピードが加速します。「あと何年しか住めない」というカウントダウンが意識されるためです。
[築後期・終盤(残存30年未満〜解体)]
- 普通のマンション: 築50年を超えても、立地が良ければリノベーション需要などで一定の資産価値が残り続けます。
- 定借マンション: 最終的に資産価値は完全に「ゼロ」になります。契約満了時には建物を解体して更地で地主に返す義務があるためです。
②定借の価値が後半に急落する「最大の理由」
後半に価値が下がりやすくなるのは、単に「住める期間が短いから」だけではなく、「次の買い手が住宅ローンを組みにくくなるから」という実務的な理由が大きいです。また、期間が短くなると価格形成のロジックが収益力にかわります。家賃がいくらくらいで、どれくらい回収できるのかが売値に反映されるようになります。どちらかというと、実需のロジックで価格形成が行われなくなるので、プロにしか売れなくなります。そのため、価格が下がりやすくなります。
多くの金融機関は、定借マンションのローン審査において「ローンの完済時までに借地期間が何年残っているか」を厳しくチェックします。
残存期間が35年を切ってくると、次に買う人が「35年フルローン」を組めなくなります。買える人が「現金一括払いの人」や「短い期間しかローンを組めない人」に限定されてしまうため、売りたくても価格を大幅に下げないと買い手がつかなくなってしまいます。
所有権と定借のメリット・デメリット比較
資産価値の面から、両者の特徴をまとめると以下のようになります。
| 項目 | 普通のマンション(所有権) | 定期借地権マンション |
| 購入価格 | 高い(土地代+建物代) | 安い(所有権の約70〜80%) |
| 最終的な価値 | 古くなっても土地分が残る | 最終的には「ゼロ」になる |
| 売却のしやすさ | 築年数が経っても売りやすい | 残り期間が短くなると売りづらい |
| ランニングコスト | 土地・建物の固定資産税がかかる | 土地の固定資産税は不要だが、「地代」と「解体準備金」が毎月かかる |
まとめ:定借マンションは「資産」か「消費」か
定借マンションは、資産を「子や孫に遺す(転売して利益を出す)」という目的にはあまり向きません。どちらかといえば、「資産を持つ」というより「長期の居住権を前払いして消費する」という感覚に近くなります。
ただし、定借マンションは「一等地のランドマーク的な物件」や「普通の価格では絶対に手が届かない駅直結の好立地」に建つことがよくあります。
「手放すときの価値(リセールバリュー)」を最優先するなら普通のマンションが有利ですが、「現役時代に、利便性の高い好立地に安く住む」というコストパフォーマンスを重視するなら、定借も非常に合理的な選択肢になります。
結局マンションは建て替えが難しいので所有権・地上権・定借でも同じ!なにが違うのか?

確かに、「最終的に建物が寿命を迎えたとき、どうせ建て替えができない」という物理的・現実的な限界から見れば、定期借地権(定借)も地上権(普通借地権)も、行き着くゴールは同じようにみえます。その見え方は実務的にも正しい側面があります。
しかし、プロの投資家や金融機関がこの2つを「全く別物」として扱い、価格に大きな差をつけるのは、「終わりの時期が『確定』しているか、それとも『引き延ばせる(無限ループできる)』か」という、途中のプロセス(出口戦略)が180度違うからです。
「建て替えが難しい」という前提のうえで、なぜこの2つが同じにならないのか、その決定的な差を3つのポイントで解説します。
①タイムリミットによる「売却(損切り)の自由度」の差
「建て替えができない」となった場合、住民に残された道は「どこかのタイミングで売却して抜け出す(あるいは賃貸に出す)」ことになります。このとき、権利の違いが牙をむきます。
- 定借マンション(期間確定): 終わりが「2080年3月」のように1日単位で決まっています。築40年、50年と進むにつれて「残された期間」が確実に減っていくため、どれだけ立地が良くても市場価値は強制的にゼロへ向かって定規で引いたように落ちていきます。
- 地上権マンション(普通借地・更新可能): 建物がどれだけ古くなっても、借地契約自体は「自動更新」されます。つまり、「土地を使える権利」のタイムリミットがありません。 建物がボロボロになっても「立地が良い土地の利用権」として価値が残り続けるため、築50年でも、所有権のボロマンションと同じように「リノベーションして住みたい人」や「賃貸に出したい投資家」に、まともな金額でいつでも売却できます。
②最終局面での「土地の価値」の恩恵を受けられるか
建物がいよいよ寿命を迎え、本当に住めなくなった(建て替えもできない)「究極のラストステージ」はどうなるのか?
- 定借の場合: 住民は、自分たちでお金を出し合って「建物を解体して、更地にして地主に返す」だけです。住民の手元には1円も残りません(むしろ解体費用が足りなければ追加徴収です)。
- 地上権(普通借地)の場合: 建て替えができなくて困るのは、実は地主も同じです。地主からすれば「自分の土地の上に、住民が退去してくれないボロマンションがずっと居座っている」状態になります。 このとき、大手デベロッパーなどが間に入り、「地主の土地」と「住民の地上権」をセットで丸ごと別の業者に売却(一括売却)するというウルトラCが使えます。これが行われると、住民は「土地の等価交換」や「立ち退き料(売却益の分配)」として、次の住まいへの移転費用やまとまった現金を手に手仕舞いできる可能性が高くなります。
③金融機関(住宅ローン)の評価が100対0で違う
「自分で最後まで住み潰すから関係ない」と思っていても、銀行の評価が違うということは、「次に買ってくれる人がローンを組めるか」に直結します。
- 定借: 残り20年なら、銀行は「20年ローン」までしか絶対に出しません。
- 地上権: 築50年で建物の価値がゼロでも、土地の権利(更新可能)が生きているため、リノベーション費用を含めて「35年ローン」を組める銀行が普通に存在します。
「次の人がローンを組んで買ってくれる」という流動性があるかないかは、資産価値を維持するうえで最大の分岐点になります。
まとめ:「建て替え不可」だとしても、意味合いが全く違う
「建物はいずれ寿命を迎える」という意味では同じです。しかし、その中身を解剖すると以下のような違いになります。
- 定借は「掛け捨ての高級賃貸(期間限定)」
- 地上権は「土地の税金がかからない、ほぼ所有権」
「建て替えができない」という最悪のシナリオを迎えたとしても、地上権であれば「利権」として売却したり、地主との交渉カード(立ち退き料の請求)に使ったりできますが、定借は契約書通りに一斉退去するしかありません。
「プロが好む好立地の定借」は、このリスクを「新築時の安さ」と「現役時代の高い賃料(利回り)」で完全に回収しきれると計算しているからこそ成り立っています。自分で長く住むマイホームとして「どっちが得か」を考えるなら、この2つは全く別物として天秤にかける必要があります。
所有権でも土地の恩恵を受けれないマンションは多くある!最後はババ抜き!

「所有権のマンションなら、古くなっても最後は土地の価値が残るから安心」と言われますが、ご指摘の通り、実務上は「土地の恩恵(価値)を1円も受け取れない所有権マンション」が数多く存在します。
所有権であるにもかかわらず、土地の恩恵を受けられるマンションと、受けられない(ただの負担になる)マンションの決定的な違いは、「その土地を、別の形(一括売却や建て替え)に再開発するだけの『経済的価値(ポテンシャル)』があるかどうか」です。
具体的にどのような違いで明暗が分かれるのか、3つのポイントで解説します。
①土地の恩恵を受けられるマンションの特徴(ポテンシャル高)
最終局面(築60年〜70年など)を迎えたとき、土地の恩恵を現金や新しい部屋という形で受け取れるのは、「デベロッパー(開発業者)が、喉から手が出るほど欲しい土地」に建つマンションです。
- 「容積率(ようせきりつ)」に余裕がある:これが最大のポイントです。例えば、現在の建物が5階建てなのに、法律上は10階建てまで建てられる土地(容積率が余っている状態)であれば、建て替えによって戸数を2倍に増やせます。増えた分の部屋を一般向けに売り出せば、その儲けで元の住民は「持ち出し金ゼロ(または格安)」で最新の割当部屋を手に入れることができます。ただ、容積率に余裕のあるマンションは、かなり少数派です。
- 超一等地・駅直結:容積率に余裕がなくても、立地が抜群に良ければ、デベロッパーが周辺の土地とまとめてタワーマンションなどに再開発したがります。最悪、建て替えができなくても、住民全員で合意して「土地と建物を丸ごとデベロッパーに高値で売却(一括売却)し、各自がまとまった現金を得て解散する」という出口戦略が綺麗に成立します。所有権・地上権・借地権にかかわらず、土地の恩恵を受けなくてもいいので、手差しがない状態で処分ができるつまり最低限敷地売却で出口が見えるマンションを選択することが大切です。
②土地の恩恵を受けられないマンションの特徴(ポテンシャル低)
一方で、名前だけは「所有権」でも、実質的に土地の価値を全く還元してもらえないマンションは、以下のような条件に当てはまります。ほとんどのマンションがこれに該当します。出口戦略がありません。
- すでに「容積率」を使い切っている(または既存不適格):昔のゆるい法律の時にキチキチに大きく建てられてしまい、今の法律で建て直すと「今より小さい5階建てしか建てられない」といったケースです。戸数を増やして利益を出すことができないため、建て替え費用はすべて住民の100%自己負担(数千万円)になります。
- 駅から遠い・郊外の不人気エリア:建物が寿命を迎えたとき、デベロッパーから見れば「わざわざ高いおカネを払ってまで再開発する価値がない土地」です。一括売却しようにも買い手がつきません。
③恩恵を受けられない場合の末路
売ることも壊すこともできず、住民は高齢化し、修繕積立金は底を突きます。手元に残るはずの「土地の所有権」は、お金を生み出す資産ではなく、「永遠に固定資産税と管理費・修繕積立金をむしり取られ続ける、手放せない負債(ゾンビマンション)」に変わってしまいます。
これらのことを考えると、所有権・定期借地権・借地権・地上権にこだわるよりも、1等地の立地にこだわる方が、理にかなっています。
結論:立地が悪ければ「所有権」も「定借」も同じ、むしろ…
建て替えや再開発のポテンシャルがない場所であれば、所有権であっても土地の恩恵はゼロです。
それどころか、経済価値のない所有権マンションは「終わらせる(解体する)仕組み」がないため、最後はババ抜きのように所有者が管理費と税金を払い続けなければなりません。それであれば、「最初から終わりの期日(解体)が決まっていて、綺麗に価値がゼロになって消えてくれる定期借地権(定借)のほうが、郊外や中途半端な立地ではむしろ安全」という逆転現象さえ起こり得ます。
結局のところ、所有権・定借・地上権という「権利の形」以上に、「その土地自体に、将来にわたって人が住みたがる価値(需要)があるか」という立地と建物のポテンシャルこそが、資産価値のすべてを決めることになります。プロが定期借地権のマンションに抵抗なく、むしろ好んで購入するにはこういった本質を理解しているためです。
定期借地権付きの新築一戸建てはどうなのか?

2000年ごろに、マンションだけでなく新築一戸建ても一定の供給がありました。
定期借地による住宅分譲は1993年から始まり、まだまだ地価が高かったため、定期借地権による住宅取得は安く購入でき、大変注目を浴びました。 2000年ごろにピークを迎えました。一時期はやりましたが、最近では新築マンションでもごくまれにみるくらいで、新築一戸建てでもほぼみることはなくなりました。
大きな流れで考えると地価の下落が、定借のマンション、定借の一戸建ての供給減少の根本的な原因とおもわれます。土地の下落が、土地付き住宅つまり所有権の物件の需要が高まったといえます。
近年、平成25年くらいから再び主要都市部を中心に地価上昇が始まり、特に都心部のマンションの割高感は強く感じるところです。定期借地権付き新築一戸建てや定期借地権付きマンションの需要も再度増加する可能性もあるかもしれません。
そもそも定借の戸建ては意味があるのか?
結論から言うと、定期借地権(定借)の戸建ては、仕組みと目的を正しく理解して選ぶのであれば「めちゃくちゃ意味がある(大いにアリな)選択肢」になります。
ただ、マンション以上に「戸建て=一生モノの資産」というイメージが強いため、何も知らずに買うと後悔します。なぜ定借の戸建てを選ぶ意味があるのか、その最大のメリット(意味)と、避けるべき地雷物件の見分け方を解説します。
定借の戸建てを選ぶ「3つの圧倒的な意味(メリット)」
戸建てで定借を選ぶ最大の意味は、「総予算を劇的に抑えながら、所有権では絶対に手が届かないクラスの家を手に入れられること」にあります。
① 同じ予算なら「ワンランク上の立地」に住める
戸建ての価格の半分(都心部なら6〜7割)は「土地代」です。定借であれば土地代がかからないため、普通なら総額8,000万円するような憧れの高級住宅街や駅近のエリアに、5,000万円台で戸建てを持てるようになります。
② 同じ立地なら「建物にお金をかけまくれる」
土地代が浮くぶん、予算をすべて「建物」に投入できます。また、建物にもお金をかけずに、そのお金を自分の人生をより充実した人生をおくるために使うことができます。
- ハウスメーカーを最高グレードにする
- 注文住宅で完全に自分好みの間取り・設備にする
- ZEH(省エネ)や最新の耐震設備をフル装備する
所有権だと「土地が高すぎて建物はローコスト住宅で我慢する」となりがちですが、定借なら「最高の立地に、最高の建物」を建てて、現役時代を最高に豊かに暮らすという贅沢が可能になります。ただし、経済的合理性から考えると、建物の価値は残らないので、建物にお金をできるだけかけない方が理にかなっています。注文住宅=資産ではなく、注文住宅=趣味と同じです。これは、所有権でも同じことがいえます。
③ 土地の税金が「永久にゼロ」
戸建ての所有権は、古くなっても土地の固定資産税・都市計画税がずっとかかり続けます。定借であれば土地の税金はゼロです(地主が払います)。毎月の「地代」はかかりますが、都市部の高い固定資産税を払い続けるのと天秤にければ、トータルの維持費で定借が有利になるケースは多々あります。
「戸建ての定借」より 「マンションの定借 」が有利で適している!
土地代を多数で分担できる
定期借地権は「土地を買わずに借りる」仕組みなので、毎月の地代が発生します。
マンションなら、
- 土地を何十戸・何百戸で分ける
- 1戸あたりの負担が小さくなる
ため、地代の違和感が比較的小さいです。
一方、戸建ては1区画を1世帯で負担するので、
- 地代負担が重く感じやすい
- 更新料や保証金も割高感が出やすい
傾向があります。
「最後に更地返還」がマンションの方が整理しやすい
定期借地権は期限が来たら土地を返すのが原則です。
マンションだと、
- 管理組合
- 建替えや解体のルール
- 修繕積立金
など共同管理の仕組みが元々あるので、期限終了時の対応を制度化しやすいです。
戸建ては各所有者ごとに事情が違い、
- 解体費負担
- 明け渡し時期
- 相続人問題
などで揉めやすい面があります。
購入者が「土地所有」にこだわりやすい(戸建て購入層)
戸建てを買う人は、
- 「土地を資産として持ちたい」
- 「子どもに残したい」
という意識が強いです。
そのため、
- 「期限が来たら土地を返す」
- 「土地は自分のものではない」
という定期借地権と心理的に相性が悪いことがあります。
逆にマンション購入者は、
- もともと土地持分が小さい
- 管理費・修繕積立金に慣れている
ため、受け入れられやすいです。
また、最近の定借は基本的に「50年以上」の契約が多く、最近では「70年〜100年」という超長期のプランもあります。70年あれば、30歳で買っても100歳まで住めるため、「自分の一代を全うする」という意味では十分すぎる期間です。
逆に「意味がない(買ってはいけない)」定借の戸建てとは?
定借の戸建てが輝くのは、マンションと同じであくまで「立地が良いこと」が前提です。以下のような物件は、定借で買う意味がほぼありません。
- 郊外の不便な場所にある定借戸建て もともと土地が安い郊外エリアで定借にしても、下がる金額はわずか(数百万円程度)です。その程度の差額のために、将来売れない・遺せないリスクを背負うのは割に合いません。郊外なら大人しく所有権を買うべきです。
- 子や孫に「家(資産)」を確実に残したい場合 定借は期間が来れば更地にして返すため、子孫に不動産を残せません。ただ、これからの時代「実家を相続しても困る(売りたいけど売れない)」という子が多いため、あえて残さない(=親の代で綺麗に消費し尽くす)という目的であれば、むしろ大いに意味があります。
まとめ:定借の戸建てはどんな人に向いている?
定借の戸建てを買い、大満足しているのは以下のような合理主義の人たちです。
- 「老後は子どもに迷惑をかけず、自分たちの代で綺麗にお金を使い切りたい」というシニア・DINKS層
- 「不便な場所の所有権より、便利な場所の定借で、子育て期を最高の環境で過ごしたい」というファミリー層
「不動産を所有すること」へのこだわりを捨て、「限られた予算の中で、現役時代の住環境のクオリティを最大化する」という目的であれば、定借の戸建てはこれ以上ないほど意味のある、賢い選択肢になります。
下記は地上権付きマンションのアピア1です。地上権付きのマンションは非常にめずらしいです。

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