高額査定の狙い・本質を知る!「干す → 値ごなし → 自社で両手」スキームを見抜けないと数百万円大損する!

売却相談・売却の基礎知識

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自宅を売却することになった場合、上手にうまく売却するには、不動産業界の裏側を理解して対処していくことが必須となります。逆に言うと業界の裏側を理解せずに売却すると、自分が気づいていないところで数百万円のお金をドブに捨てている可能性があります。

  1. なぜ高値査定をする仲介会社が多いのか?
    1. 1. 売主の「高く売りたい」心理を利用して契約を取るため
    2. 2. 「媒介契約を取った後から値下げさせればいい」と考えているため
    3. 3. 「両手仲介」で手数料を2倍(最大6%+α)取るため
    4. 4. 営業マン個人のノルマ(媒介件数)達成のため
    5. 対策:高値査定に騙されないために
  2. 高値査定を信じてチャレンジ価格を続けると大きなデメリットがある
    1. なぜ「売り時を逃す」と「相場より安くなる」のか?
      1. 1. 「初動のゴールデンタイム」をドブに捨てることになる
      2. 2. 「売れ残り物件」というネガティブなレッテル(売り垢)がつく
      3. 3. 買主からの「強気な指値(大幅な値引き交渉)」の標的になる
      4. 4. 最終的に「買取業者」へ叩き売り(相場の7割程度)になる
    2. なぜ売り出し直後の買い手は本気度が高いのか
      1. なぜ売り出し直後に意識の高い買主が多いのか
    3. まとめ:高値査定放置の負のループ
  3. 不動産売却における営業マン同士の会話で「干す」とは
  4. 不動産営業における「値ごなし」とは
    1. 「値ごなし」が行われる主なパターン
      1. 1. 高値査定からの値下げ誘導(高値預かり)
      2. 2. 自社での両手仲介・買主確保のため
    2. 「干す」と「値ごなし」の流れ
  5. 囲い込みの文脈では、「他社に客付けさせない」+「売主に値下げさせる」で両手取引を狙う
    1. 一連のスキームの構造
    2. 問題の本質
  6. 囲い込みを抑止するためには一般媒介しかない!1社で一般でも十分抑止力がある!
    1. なぜ「1社のみの一般媒介」では抑止力が弱いのか?
    2. 「1社で一般媒介」が機能する唯一の条件
    3. 囲い込みを確実に抑止するための実務的なアプローチ
      1. 1. 複数社(2社)と一般媒介契約を結ぶ
      2. 2. 一般媒介+レインズのステータス管理・他社問い合わせのセルフチェック
  7. 依頼した仲介会社しかポータルサイトに広告していないなら広告制限している!
    1. 売主側のチェックとしては、3つのチェックが必須

なぜ高値査定をする仲介会社が多いのか?

不動産仲介会社(特に大手や売買専門の会社)が、相場より明らかに高い相場と乖離した価格で査定額を提示する「高値査定(高値預かり)」を行う理由は、一言で言えば「競合他社に勝って売主と媒介契約(専任・専属専任媒介契約)を結びたいから」です。

不動産売買のビジネス構造や営業心理から、主に4つの理由が存在します。

1. 売主の「高く売りたい」心理を利用して契約を取るため

不動産を売却する際、多くの売主は複数の不動産会社に一括査定などを依頼し、「一番高く売ってくれそうな会社」を選ぼうとする心理が働きます。

  • A社:相場通りの「3,000万円」を提示
  • B社:少し高めの「3,200万円」を提示
  • C社(高値査定):根拠が薄いのに「3,800万円で売れます!」と提示

不動産取引の知識が乏しい売主は、C社の「うちなら高く売れるノウハウがある」という営業トークを信じてC社と専任媒介契約を結んでしまいがちです。不動産会社側にとっても、「媒介契約(商品仕入れ)を取らなければ1円の売り上げにもならない」ため、なりふり構わず契約を取りに来るという背景があります。不動産取引において、売り物件をおさえることが、有利にビジネスを進めていくことができるという側面があります。売り側の営業マンが、売り手側を意図的にコントロールすることができた場合、両手取引という仲介会社にとっての売り上げ最大化を狙うことができます。

2. 「媒介契約を取った後から値下げさせればいい」と考えているため

査定価格はあくまで「売り出し予想(売り出し希望)価格」に過ぎず、「その価格で買い手が付くことを保証する価格(買い取り保証)」ではありません

査定価格は、買取価格や確実に売れる価格ではなくあくまでも、媒介契約を取るための価格でしかありません。

そのため高値査定をする会社は、最初からその価格で売れるとは思っていないケースが一般的です。契約さえ結んでしまえば、以下のような手法(「干す」+「値ごなし」)で後からいくらでも値下げをさせることができると計算しています。

  1. 契約後、意図的に放置したり相場から離れた価格で放置する。
  2. 「問い合わせがゼロです」「買主の反応が厳しい」「案内は多いが断りばかり入る」と報告し続ける。
  3. 焦った売主から「値下げ(値ごなし)」の承諾を取り、結局相場通りの価格(3,000万円)まで下げさせる。あるいは、相場以下まで下げさせる。その結果、大幅な値段交渉(指値)が入ってまとまる。

3. 「両手仲介」で手数料を2倍(最大6%+α)取るため

高値で媒介契約を独占(囲い込み)できれば、自社で買主も見つけて「両手仲介」(売主・買主の両方から仲介手数料を得ること)を狙う時間を稼ぐことができます。

  • 片手仲介:売主のみから手数料(約3%)=100万円
  • 両手仲介:売主+買主から手数料(約6%)=200万円

売主にとっては「相場より高く査定してくれた親切な会社」に見えても、会社側は「売主を囲い込んで両手仲介を狙うための撒き餌」として高値査定を利用しているわけです。

4. 営業マン個人のノルマ(媒介件数)達成のため

多くの不動産会社(特に大手)では、営業マンに「月間〇件の専任媒介契約を獲得すること」という厳しいノルマが課されています。

今月のノルマを達成するために、根拠のない高額査定を出してでも売主を捕まえ、契約件数の数字を上げようとする営業行動が構造的に発生しやすい環境があります。

対策:高値査定に騙されないために

早期売却のためには、まず適正価格を知ることから始まります。高値査定ばかりで、本当に売れる金額を知らないまま半年が過ぎたとすると本当に無駄な時間となります。営業マンに対しては3か月以内に確実に売れる金額はいくらですか?という聞き方をすることが大切です。営業マンによっては、確実に売れる金額もわからずに、とにかく高値で媒介を取ることだけを考えているケースもあります。確実に売れる金額を営業マンに聞いて、即答してくれて信用できる金額であるならば、信用に足る営業マンかもしれません。意外と確実に売れる金額がわからずに査定しているケースは多いです。

  • 査定価格の「根拠(周辺の成約事例)」を必ず開示させる 単に「〇〇万円です」だけでなく、「なぜその金額なのか」を過去の周辺成約データやレインズの成約事例をもとに説明させます。
  • 査定価格と「売り出し推奨価格」の違いを確認する 「チャレンジ価格(挑戦価格)」「3ヶ月以内に現実的に売れる価格」を分けて提示できる会社は信頼性が高いと言えます。
  • 買取保証(即金買取)の価格を聞いておく 「査定価格は3,800万円だが、自社買取なら2,500万円」といった極端な差がある場合、媒介での高値査定は契約獲得のためだけの見せ球である可能性が高くなります。

高値査定を信じてチャレンジ価格を続けると大きなデメリットがある

まさに「売り時を逃し、最終的に相場よりもさらに安く売らざるを得なくなる(二買い叩かれる)」ことこそが、相場から乖離した高値(チャレンジ価格)で売り続け、放置してしまう最大のデメリットです。

不動産実務では、この現象によって価格が雪だるま式に下がっていく明確なメカニズムが存在します。

なぜ「売り時を逃す」と「相場より安くなる」のか?

1. 「初動のゴールデンタイム」をドブに捨てることになる

不動産売却において、最も買主の注目が集まり、高く売れやすいのは「売り出し直後の1〜2ヶ月」です。 ポータルサイト(SUUMOやHOME’Sなど)に新着物件として掲載されると、そのエリアで物件を探している「本気度の高い買主」が一斉に注目します。高値査定を信じて市場から完全に浮いた価格で出し続けると、この一番熱量の高い顧客層にスルーされ、初動の好機を完全に潰してしまいます。

2. 「売れ残り物件」というネガティブなレッテル(売り垢)がつく

ポータルサイトに3ヶ月〜半年以上ずっと掲載され続けていると、市場や買主・他社営業マンから次のように見られます。

  • 「ずっと掲載されているけど、何か瑕疵(欠陥)や問題があるのかな?」
  • 「売主が頑固で価格交渉に応じない物件だろうな」

こうなると、一般の買主は敬遠し、問い合わせ自体が途絶えていきます。

3. 買主からの「強気な指値(大幅な値引き交渉)」の標的になる

長期間売れ残ると、物件の立場が非常に弱くなります。 買主や買主側営業マンは「もう半年も売れていないから、大幅に値下げ交渉(指値)しても売主は折れるだろう」と足元を見てきます。その結果、相場価格(例:3,000万円)であればすんなり売れたはずの物件が、相場を下回る価格(例:2,600万円〜2,700万円)での指値しか入らなくなります。

4. 最終的に「買取業者」へ叩き売り(相場の7割程度)になる

「媒介契約の更新(3ヶ月)」を何度か繰り返し、反響がない・案内が入っても入っても断りが入ることに疲弊した売主は、精神的にも追い込まれます。 「ローンの二重払いを早く終わらせたい」「買い替え先の決済期日が迫っている」などの時間的制約が出てくると、最終的には不動産会社や買取業者に相場の7〜8割程度の価格で買い取ってもらうしか選択肢がなくなるという最悪の結末を迎えます。仲介会社はこの結末を虎視眈々と狙っています。買取業者に買い取ってもらえば両手取引になるし、自社で買取すれば仲介で儲けるよりより利幅が取れます。

なぜ売り出し直後の買い手は本気度が高いのか

不動産売却では、売り出し直後ほど「買う準備ができている人」が集まりやすいです。一番大きい理由は、新着物件を待っている買主がいるからです。

なぜ売り出し直後に意識の高い買主が多いのか

① 新着物件を定期的にチェックしている

本気で探している人は、SUUMOなどで条件を登録して、「新着物件が出たらすぐ見る」という状態になっています。

そのため、売り出した直後に最初に問い合わせてくる人は、すでに数週間~数か月探しているケースがあります。

② すでに相場観ができている

本気の買主ほど、

「このエリアなら4,000万円前後」
「この条件なら4,500万円でも買える」
「この物件は割安」

という判断ができます。

つまり、新着物件が出た瞬間に「これは買う価値がある」と判断できるわけです。購入意欲が高い人ほど相場観がしっかりわかっています。

③ 住宅ローンなどの準備が進んでいる

購入意欲の高い人は、

  • 住宅ローンの事前審査
  • 自己資金の確認
  • 家族との相談
  • 希望エリア・価格帯の絞り込み

などをすでに進めています。

だから、気に入った物件が出ると、「ちょっと見てみよう」ではなく「条件が合えば申し込もう」となりやすいです。

まとめ:高値査定放置の負のループ

高値で売り出す一番のデメリットは、「売り時を逃す」ことにあります。売り出してすぐのタイミングは本気度が高い買い手に検討してもらうチャンスです。売り時を逃し、長期間売れ残ると「売れ残り」感がでてきて、更に売れにくくなります。

【高値査定を信じて相場と乖離した価格で売り出す】 
↓ 【初動の1〜2ヶ月をスルーされ売り時を逃す】
↓ 【長期間放置で「売れ残り」のレッテルがつく】
↓ 【反響ゼロで焦り、相場以下への値下げや強烈な指値が入る】
↓ 【結局、最初の相場価格よりも大幅に安く手放す

このように、高価格でのチャレンジ自体は戦略としてアリですが、「反響(内覧数や問い合わせ)がなければ1ヶ月程度で速やかに適正価格へ見直す」という期限・出口戦略を持たずに高値査定を愚直に信じ続けることは、売主にとって極めてリスクが高い行為となります。

不動産売却における営業マン同士の会話で「干す」とは

不動産売却の営業における仲介営業マン同士の会話ででてくる「干す(ほす)」とは、売却を依頼されている物件(預かり物件)の売却活動をあえて積極的に行わず、放置・停滞させることを指す業界用語です。

主に以下のような意図や文脈で使われます。

  • 専任・専属専任媒介契約で物件を囲い込むため 他社に買主を見つけさせず、自社で買主を見つけて「両手仲介(売主・買主双方から手数料を得ること)」を狙う際、売り出し直後は他社からの問い合わせを断ったり情報を意図的に隠したりして、物件を「干す」状態にします。
  • 価格交渉(値下げ)に応じさせるため 売主が希望する売り出し価格が高すぎる場合、あえてしばらく積極的に販売活動をせず放置(干す)します。反響がない状態を意図的に作り出すことで、売主に「この価格では売れない」と実感させ、売り出し価格の値下げ(価格改定)に同意させる手法として使われることがあります。
  • 買主側の交渉テクニックとして 買主側の営業マンが「この物件は高すぎて売れ残っている(干されている)」と見極め、強気の指値(大幅な値引き交渉)を入れるタイミングを図る文脈でも使われます。

売主側にとっては売却機会の損失成約価格の下落につながるため、ネガティブな意味合いが強い営業隠語です。

不動産営業における「値ごなし」とは

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不動産売却における「値ごなし(ねごなし)」(または「値こなす」「値こなし」)とは、売買媒介契約を結んだあと、売主を説得して売り出し価格を値下げ(価格改定)させる営業行為・テクニックを指す業界用語です。

前述の「干す」という行為と密接に連動して使われることが多く、多くの場合、不動産会社の計画的な戦略として行われます。

「値ごなし」が行われる主なパターン

1. 高値査定からの値下げ誘導(高値預かり)

媒介契約を取りたいがために、相場より明らかに高い査定価格を提示して売主と専任媒介契約を結びます(高値預かり)。当然その価格では売れないため、契約後にしばらく「放置(干す)」したり「反響がありません」と報告を続けたりして売主を焦らせ、「今の価格では売れません」と大幅な値下げに同意させます。

2. 自社での両手仲介・買主確保のため

自社で抱えている買主候補の予算に合わせるため、あるいは買主からの値引き要求(指値)を通しやすくするために、売主に「この金額まで下げればすぐに買主がつきます」と交渉して価格を下げさせます。

「干す」と「値ごなし」の流れ

不動産業界で問題視される悪質な営業プロセスとして、以下のような一連の流れが存在します。

  1. 高値査定:相場より高い査定で売主を喜ばせ、契約を獲得する。
  2. 囲い込み・干す:他社からの問い合わせを断りつつ、積極的に売買活動をせず放置する。 囲い込みと干すことは、全く意味が違いますが、囲い込み文脈の中で干すという言葉を使うことがあります。
  3. 値ごなし:「反響がない」「市場が厳しい」と主張して価格を下げる(場合によっては相場以下まで)。
  4. 成約:安くなった段階で自社の顧客買取業者へ売却し、両手の手数料を得る。

売主にとっては「売り出し期間を無駄にし、最終的に想定より安く買いたたかれてしまう」原因となるため、提示された査定額の根拠(周辺相場や取引事例)を事前によく確認することが防衛策となります。

囲い込みの文脈では、「他社に客付けさせない」+「売主に値下げさせる」で両手取引を狙う

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「他社に客付けさせない」+「売主に値下げさせる」という組み合わせになった場合に、売り手にとって一番最悪の売却となります。囲い込みの文脈でも「干す」「値ごなし」という言葉は会話でも使われますが、特に業界用語としては、「干す → 値ごなし → 自社で両手」の流れで使われこの構造こそが、不動産仲介業界における最も悪質な囲い込みのプロセスパターンであり、コンプライアンス面や消費者保護の観点から強く問題視されている核心部分です。
ただし、「干す=必ず囲い込み」ではありません。
単純に「高すぎるから積極的に営業せず、時間を置く」という意味でも使われます。

単に「囲い込み(他社からの客付け拒否)」をするだけでも売却機会の妨害になりますが、そこに「干す(意図的な放置)」「値ごなし(不当な値下げ誘導)」が組み合わさることで、売主側に一方的かつ甚大な不利益が生じます。

例えば4,500万円で専任媒介を取った物件があるとします。

① 4,500万円で売り出す

② 他社から「買主がいます」と問い合わせ

③「商談中」「担当者不在」などとして紹介を断る

④ 自社で買主を探す

⑤ なかなか決まらない

⑥ 売主に「4,200万円くらいに下げませんか?」と値ごなし

⑦ 自社で買主を付けて両手仲介

というイメージです。

ただし、ここで重要なのは、

「値ごなし=囲い込み」ではありません。

通常の売却活動でも、相場より高ければ価格変更を提案するのは普通です。

囲い込みの文脈では、

「他社に客付けさせない」+「売主に値下げさせる」

という組み合わせになった場合に、問題視されるわけです。

特に業界用語としては、
「干す → 値ごなし → 自社で両手」
という流れで営業マン同士の会話で語られます。

一連のスキームの構造

  1. 干す(情報遮断と放置)
    • レインズ(指定流通機構)への登録を怠る、または登録しても「紹介可能」にしておきながら他社からの紹介連絡を「商談中」と偽って断る。最近は、あからさまに商談中と断るのではなく、巧妙に断ることが一般的です。
    • 売買活動を故意にストップさせ、意図的に「売れない期間」を作り出す。
  2. 値ごなし(心理的追い込みと価格引き下げ)
    • 「問い合わせが全くありません」「相場より高すぎます」と売主に嘘または歪められた市場反響を報告する。
    • 売主の焦りや不安をあおり、相場、あるいは自社で抱える買主の予算に合わせて価格を大きく下げさせる。
  3. 自社で両手(利益の最大化)
    • 値下げによって十分に安くなった段階で、自社が抱える買主(または特定の仲良し業者・買取業者)に物件を引きあわせる。
    • 結果として売主・買主の双方から仲介手数料(3%+6万円+消費税 × 2)を得て、自社の利益を最大化する。

問題の本質

この一連の手法は、「宅地建物取引業者としての善管注意義務違反」および利益相反行為そのものです。

  • 売主の損害:本来であれば早期かつ高値で売れた可能性を奪われ、不当に安く買い叩かれる。
  • 情報透明性の欠如売主は専門知識がないため、「営業マンの努力不足」ではなく「物件や市場のせい」だと信じ込まされやすい。

国土交通省や行政側もレインズのステータス管理機能の強化(「公開中」「書面申込あり」「売主都合で一時紹介不可」などの厳格化)を進めていますが、現場での悪質な実態をどう防ぐかが長年の課題となっています。

囲い込みを抑止するためには一般媒介しかない!1社で一般でも十分抑止力がある!

実務的な結論から申し上げますと、「一般媒介にすること」自体は囲い込み(干す・値ごなし)の強力な抑制策になります。一番大切なのは、安易に専任媒介にしないということです。営業トークでは必ず専任媒介の方が、メリットがあるように誘導していきます。

ただし、「1社で一般媒介にする」という運用方法については、営業マンによっては抑止力として不十分になるケースがあるため、注意が必要です。営業マンが信用できる前提なら1社の一般媒介でも全く問題はないといえます。

一般媒介で複数社に依頼している場合、囲い込みの抑止力になり得る理由はシンプルで、

専任媒介
→ 売主が他社へ同時に依頼できない
→ 仲介会社側に「自社だけでコントロールできる」という余地がある

一般媒介
→ 他社も同じ物件を扱える
→ 他社から買主が付く可能性がある
「囲い込んでいると、その間に他社で決められてしまう」

という構造だからです。 「囲い込み」の抑止力という視点では、一般媒介2社+レインズ登録+広告掲載を各社が競うという形が、専任1社に任せるより囲い込みに対する牽制力が圧倒的に強いと言えます。

なぜ「1社のみの一般媒介」では抑止力が弱いのか?

一般媒介契約の本質的な抑止力は、「他社が買主を見つけて契約をさらっていくリスク(競争原理)」があるからこそ働きます。

そもそも一般媒介には、レインズ登録義務はありませんが、2社以上なら、

A社「自社で買主を見つけたい」
B社「うちも先に買主を見つけたい」

となるので、A社がレインズ登録しなければB社がレインズ登録する可能性がある、という競争になります。そのため競争してレインズ登録するのが一般的です。

特に売り出し直後は、

「新着物件を見ている購入意欲の高い客を、どの会社が先に捕まえるか」

という競争になるので、営業マンとしてもレインズ登録や広告展開をサボるメリットが小さくなります。そのため競って営業活動を行います。

  1. 競争プレッシャーが働かない 1社しか契約していない場合、不動産会社側から見れば「実質的に専任媒介と変わらない状態」になる可能性があるためです。他社が市場で客付けしようとしても、売主が1社のみとしか一般媒介を結んでいないことを知れば、結局その媒介業者を通して交渉せざるを得ない構造が変わらない(あるいはレインズ登録義務もないため情報共有が滞る)ケースがあります。とはいえ、今は1社でも営業マンの動きが悪ければ2社にすることもできる契約なので、一定の緊張感を与える効果があります。
  2. レインズへの登録義務がなくなる 一般媒介(明示型・非明示型ともに)の場合、不動産会社にはレインズ(指定流通機構)への物件登録義務が法律上ありません。専任媒介であれば登録義務や定期的な報告義務(2週間に1回以上)が課されますが、一般媒介で1社任せにすると、むしろ情報の透明性が下がるリスクが生じます。とはいえ、不動産流通の仕組みが理解できていれば、レインズ登録の有無も確認できるので、一般媒介契約のタイミングでレインズ登録の依頼・定期的な報告依頼(2週間に1回以上) をきっちり行い、その後確認すればいいだけの話でもあります。問題は不動産流通の仕組みのリテラシーがない方が、一般媒介にするときにリスクが生じる可能性があります。囲い込むためにレインズ未登録にされてしまう可能性があるためです。

「1社で一般媒介」が機能する唯一の条件

「1社で一般でも担当に問題がなければ十分抑止力がある」という前提が成立するのは、「その担当者が非常に誠実で、コンプライアンス意識が極めて高い場合」に限られます。担当者が信頼できる場合、1社で一般媒介でも十分抑止力が働くと考えられます。

しかし、そもそも「干す」「値ごなし」といった悪質な行為を行うのは担当者や会社のモラルに問題がある場合であるため、「担当者の良し悪し」に依存するアプローチは囲い込み対策としての再現性が低くなってしまいます。

囲い込みを確実に抑止するための実務的なアプローチ

囲い込み「干す→値ごなし」のスキームを構造的に防ぐには、以下のいずれかの手法を取るのが効果的です。

1. 複数社(2社)と一般媒介契約を結ぶ

これが最も確実な抑止策です。

  • 他社に先を越されると1円の手数料にもならないため、不動産会社は「囲い込もう」「干そう」とする余裕がなくなり、最初から本気で自社顧客や市場へアプローチせざるを得なくなります
  • 価格査定や市場反響の報告についても、複数社の意見を比較できるため「不当な値ごなし」に騙されるリスクが激減します。

2. 一般媒介+レインズのステータス管理・他社問い合わせのセルフチェック

1社に絞って手厚いサポートを受けたい場合は、一般媒介で1社を選んだ上で以下の防衛策を講じます。

  • レインズの登録証明書を発行させ、ステータスが「公開中」になっているか売主自身で定期確認する。
  • 知人や別の不動産屋経由で「この物件、紹介可能ですか?」と問い合わせてもらい、ブロックされていないか(囲い込まれていないか)テストする。

依頼した仲介会社しかポータルサイトに広告していないなら広告制限している!

ポータルサイトで、自分が依頼したA社しか掲載していないという状況では、「A社が広告制限をしている」と断定はできませんが、可能性はかなり高いといえます。

A社に専任媒介で依頼

A社がレインズに登録

A社はSUUMO等に掲載

A社に問い合わせても広告掲載を拒否される

という状況なら、広告を制限している可能性を疑う材料になります。他社の広告を拒否する理由は自社で両手取引を狙っているためです。他社が広告を掲載しているかも、囲い込みの確認に有効です。

売主側のチェックとしては、3つのチェックが必須

① レインズ
→ 他社が物件を扱える状態になっているか

② SUUMO・HOME’S・アットホームなど
他社が実際に広告を出しているか

③ 他社から問い合わせたときの対応
→ 「紹介できません」「商談中です」など、不自然な対応がないか

つまり、

「レインズに載っているか」だけでなく、「実際に他社が広告・客付けできているか」まで見る

のが囲い込みチェックとしては有効です。

特に一般媒介で2社に依頼して、各社が同じ物件をポータルに掲載している状態なら、広告面でも競争が見えるので、売主からするとかなり透明性が高いです。

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