新築一戸建てを建てる際、集成材をなぜ使うのか?

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なぜ日本の住宅は「本物」の木を使わないのか
現在の新築一戸建てでは「ホンモノの木」を使わなくなりました。集成材とは外国産の木を原料として、複数の木材を接着剤で再構成した木材のことです。その反対は丸太から切り出した無垢材です。 実は住宅メーカーの建てる建物のほとんどは、集成材です。
無垢材とは、木材そのものを使ったもの。
集成材は厚み2cm前後の木材を合板のように張り合わせて造られたものです。
大手ハウスメーカーなどではほとんどが集成材で、建売、ローコストハウスメーカーでは、当然、集成材を利用しています。
集成材が使われている一番の理由は、
➊強度計算がしやすい。
➋木がそったりしてクレームがない。
です。
木がそったり、あるいは割れるなどという顧客のクレームへの対応で、集成材がほとんどになってしまいました。本物の木は湿度によって、そったり、ちじんだりします。 マンション業界も同じです。同じように顧客からのクレームに対応していった結果としてドア枠などが、木というよりも「紙で固めた素材」になっています。
一見、木に見えるが実際は紙で固めた素材に木目のついたプラスチックのシートが貼られているだけで、モノによると安普請にみえます。 しかし、竣工時、あるいは購入時こそかなり綺麗だが、すり減ってくると白いシートが見えて安っぽくみえます。最初が一番良く、あとはどんどん劣化していきます。 一方、本当の木はだんだんと味が出てきます。
業者が無垢材を避けるのはクレームが多いからで、床鳴り、反り、割れというクレームを避けるためが一番の理由だと思います。
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木造建築において、天然の無垢材ではなく集成材(しゅうせいざい)が広く採用されるのには、現代の建築基準や施工効率、そして環境配慮といった明確な理由があります。
理由を4点に集約すると下記になります。
①強度の安定性と信頼性
天然の木材には「節(ふし)」や「割れ」があり、これらが原因で強度の弱い部分がどうしても生じます。
- 強度の平均化: 集成材は、ひき板(ラミナ)の段階で欠点を除去し、強度の高い板を効率よく配置して接着するため、製品ごとの強度のバラツキが極めて少なくなります。
- 計算のしやすさ: 強度が数値として明確(等級表示)なため、構造計算が正確に行え、より安全な設計が可能になります。
②変形(反り・ねじれ)の少なさ
木材の最大の弱点は、乾燥に伴う「変形」です。
- 徹底した乾燥: 製造過程で板の段階で十分に乾燥させるため、完成後の収縮や反りがほとんど起こりません。
- 施工後のトラブル防止: 建築後に柱が曲がってドアが開かなくなったり、壁紙が割れたりといった不具合を大幅に減らすことができます。
③自由度の高い形状とサイズ
無垢材は木の大きさに依存しますが、集成材は「つなぎ合わせる」技術です。
- 大スパンの実現: 無垢材では不可能なほど長く、太い梁(はり)を作ることができます。これにより、柱の少ない広いリビングや、大規模な木造施設の建築が可能になりました。
- 湾曲材: 接着の際に型にはめることで、緩やかなカーブを描くアーチ状の梁も作ることができます。
④環境負荷の低減と資源の有効活用
- 端材の活用: 小さな木材や、無垢材としては使いにくい部位も接合して活用できるため、木材資源を無駄なく使い切ることができます。
- CO2固定: 成長の早い木を積極的に使い、集成材として長期間建物に活用することは、炭素を固定し続けることになり、脱炭素社会への貢献にもつながります。
補足:気になる「接着剤」の寿命
「接着剤で固めているから、剥がれたりしないのか?」という不安を持たれることもありますが、現代の集成材に使用される接着剤(レゾルシノール系やイソシアネート系など)は非常に進化しています。 数十年におよぶ過酷な実験を経て、「木材そのものよりも接着層の方が強い」と言われるほどの耐久性が証明されており、現在では大型公共建築の主要構造部にも安心して使われています。
住宅の構造を選ぶ際は、こうした「性能の安定性」という面で集成材は非常に合理的な選択肢になっています。

ホワイトウッドの集成材がよく使われる
ハウスメーカーに行くと「うちはホワイトウッドです」、「うちは全部レッドウッドです」など耳に入ってくると思います。
ホワイトウッドとは、ベイツガ(アメリカツガ)などに代表される木の分類で、耐朽性が悪いため腐りやすいため、加工して集成材として使用されることが多いそうです。又、加工性がよいということと、乾燥時の縮みが小さいことが大きな特徴だそうです。
日本での木造建築は杉が一般的でしたが、ベイツガの広まりとともに ホワイトウッドの集成材が使われるようになりました。
レッドウッドとは米松(ベイマツ)等のことで、木目の美しさが人気があります。
よく強度はホワイトウッドが上、耐朽性はレッドウッドが上などと評され、一般的には梁にはレッドウッド、柱や土台にはホワイトウッドと言われています。金額はレッドウッドの方が高いです。無垢材の場合は、梁は米松、 柱は杉かヒノキと言われています。

集成材を使用する工務店やビルダーが圧倒的に増え接着剤の技術も向上してきましたが、日本で使用され始めたのもここ最近40、50年ではあります。

湿気が多い日本で一番気になるのがシロアリです。湿気とシロアリに強いのは桧で、次いで杉となります。地面に近い部分では湿気が強いので、シロアリに食われにくい木材が理想です。又、シロアリが土台を通り越して柱に来る危険性が全く無いとは言い切れません。柱としてよく利用されるのは、杉、桧などの無垢材、そしてホワイトウッドの集成材です。
ホワイトウッドの集成材には、高さ1mくらいのところまで必ず薬剤による防腐防蟻処理がされております。強すぎる薬はダメということで、一般的には、5年の保証期間が一般的です。
日本で集成材が使用され始めたのもここ最近40、50年の話です。
ホワイトウッドの集成材がよく使われる理由は
住宅の柱や梁(構造材)としてホワイトウッド(欧州スプルース)の集成材がこれほどまでに普及しているのは、建築会社やプレカット工場にとって「究極の優等生」だからです。
なぜこれほど選ばれるのか、その裏側にある「コスト・施工・見た目」の3つのポイントを整理しました。
①圧倒的な「加工性」と「寸法安定性」
ホワイトウッドは非常に軽くて柔らかい性質を持っています。
- プレカット効率: 現在の住宅は工場で機械加工(プレカット)されますが、柔らかいホワイトウッドは刃物の摩耗が少なく、複雑な継ぎ手もミリ単位で正確に加工できます。
- 現場の負担軽減: 軽いため、現場の職人が持ち運びやすく、施工スピードが上がります。
- 集成材との相性: 乾燥させやすく、接着剤とのなじみも非常に良いため、集成材としての完成度が極めて高く、施工後の「ねじれ」や「反り」がほとんど出ません。
②コストパフォーマンスの高さ
- 安定供給: ヨーロッパ(北欧やロシアなど)の広大な森林で計画的に植林・伐採されており、ロットが大きく、質が均一な材を安価に安定して輸入できます。
- 歩留まりの良さ: 成長が早く真っ直ぐ育つため、無駄なく建材として切り出すことができます。
③「見た目」の清潔感
- 白く美しい肌: 名前通り色が白く、節も小さくて目立たないため、完成した時の見た目が非常にきれいです。
- 空間が明るくなる: 構造材が露出する現し(あらわし)の仕上げにしても、モダンな印象を与えやすいため、デザイン面でも好まれます。
⚠️ 知っておくべき「弱点」と対策
これほどメリットがある一方で、ホワイトウッドには明確な弱点があります。それは「湿気やシロアリに弱い」という点です。
- 腐朽耐性が低い: 湿った状態が続くと、国産のヒノキやスギに比べて腐りやすい傾向があります。
- シロアリの好物: 柔らかく、防虫成分も少ないため、シロアリに狙われやすい性質を持っています。
【ここが重要:使い分けの工夫】
そのため、現代の住宅会社では以下のような対策をとっています。
- 適材適所: 湿気の影響を受けやすい「土台」にはヒノキや防腐処理材を使い、乾燥した状態が維持される「柱」や「梁」にのみホワイトウッドを使う。
- 防蟻処理: 建築時にしっかりとした防蟻処理(薬剤散布)を行う。
- 通気工法: 壁の中に湿気が溜まらない「外壁通気工法」をセットで採用する。
まとめ
ホワイトウッドの集成材が選ばれるのは、「安くて、真っ直ぐで、狂わない」という、現代の工業化された住宅建築に最も適したスペックを持っているからです。
「弱い木だからダメ」というわけではなく、「濡らさない・腐らせない」という基本のメンテナンスや設計がしっかりしていれば、そのポテンシャルを最大限に活かせる合理的な素材と言えます。
ホワイトウッドとレッドウッドの使い分けは?
ホワイトウッドの集成材だけでなく、レッドウッド(欧州赤松/欧州アカマツ)の集成材も、住宅の構造材として非常によく使われています。
ホワイトウッドと並んで輸入集成材の代表格ですが、ホワイトウッドよりも「ワンランク上の性能」を求めて採用されることが多い素材です。
主な特徴と、なぜ使われるのかという理由は以下の通りです。
①ホワイトウッドより優れた「耐久性」
レッドウッドは、その名の通りやや赤みを帯びた色をしています。この赤身(心材)の部分には、天然の防腐・防蟻成分が比較的多く含まれています。
- 腐りにくさ: ホワイトウッドに比べて湿気による腐朽に強く、日本の高温多湿な環境において信頼性が高いとされています。
- シロアリへの耐性: ホワイトウッドよりは強く、国産のスギに近い、あるいはそれ以上の耐久性を持つと言われることもあります。
② 高い「強度」
レッドウッドは、ホワイトウッドに比べて密度が高く、強度が強いのが特徴です。
- 梁(はり)への採用: 大きな荷重がかかる梁や桁(けた)の部分に、強度の高いレッドウッドの集成材を指定して使うケースが多く見られます。
- 構造計算上のメリット: 強度等級が高いため、構造計算が必要な家づくりにおいて、より安全マージンを取りやすい素材です。
③ 優れた「寸法安定性」
集成材全般に言えることですが、レッドウッドも乾燥工程を経て作られるため、施工後の「反り」や「ねじれ」が非常に少ないです。
- 精度の維持: プレカット加工との相性が良く、長期間にわたって家の建付け(ドアの開閉など)を良好に保つのに貢献します。
実務での「使い分け」
多くの住宅現場では、以下のように使い分けられています。
- ホワイトウッド集成材: コストを抑えたい場合や、荷重がそれほどかからない柱など。
- レッドウッド集成材: より強度が必要な梁、あるいは「ホワイトウッドよりは耐久性にこだわりたい」という場合の柱や構造材。
注意点:やはり「水」には注意
ホワイトウッドより強いとはいえ、レッドウッドも「濡れっぱなし」の状態には耐えられません。
- 土台には不向き: 常に地面からの湿気にさらされる「土台」の部分には、より耐朽性の高いヒノキや、薬剤を深く浸透させた防腐処理材(ACQなど)を使うのが一般的です。
- 雨漏り・結露対策: 壁体内結露や雨漏りが発生すれば、どの木材も傷みます。レッドウッドの性能を活かすには、通気工法などの「濡らさない設計」がセットで重要になります。
まとめ
レッドウッドの集成材は、「コスト・強度・耐久性」のバランスが非常に優れた、非常に合理的な構造材として広く流通しています。
もし検討中の住宅で「構造材はレッドウッドの集成材です」と説明されたなら、それはコストを抑えつつも、強度や耐久性にある程度配慮した堅実な選択がなされている、と判断できます。
国産木材と外国産木材の最大の違いとは
代表的な国産木材と言えば「杉」「桧」「松」です。
国産木材と外国産木材の最大の違いは、生まれ育った環境や気候です。
また、日本は高温多湿の夏がある国で、 特に雨の多い地方の木材ほど、油成分を多く含んでいます。 油成分を多く含んでいると、シロアリやダニ、カビなどを防ぐ効果があります。
日本の人工林のおよそ半数が「杉」で占められています。なぜなら、成長が早く、育てやすいからです。 日本の狭い土地でもたくさん植えることが可能で、生産性が高い木材です。
また、「桧(ヒノキ)」は、耐久性や強度・加工性に優れ、抗菌・防虫・消臭・リラックス効果の高い国産木材で、構造材から仕上材まで多用出来る木材です。
また、 国産材は年輪が狭く、 乾燥収縮小さいので、反りが少ないのが メリットです。
高い耐久性と環境に合った国産木材が安価で入手出来るようになれば、外国産木材の利用が減り、国産が増えていくことになるが、現実的には、外国産の木材に頼っています。
外国産木材は、育ちがよく、経も大きく、長い木が大量に存在します。
ただ、短期間に急激に成長し、年輪が大きい木が多いです。年輪の大きい木の弱点として乾燥収縮が大きく、反りなどのデメリットがあります。
なぜ国産ではなく輸入材がよく使われるのか
輸入材が選ばれる最大の理由は、確かに「コスト(安さ)」が大きな要因ですが、実はそれだけではありません。
日本の住宅メーカーが輸入材(欧州材や北米材)を多用する背景には、「工業化された住宅建築との相性」という、実務的な事情が深く絡んでいます。
主な理由は以下の3点です。
①コストと「安定供給」の仕組み
単純な単価だけでなく、「欲しい時に、欲しいだけ、同じ品質で手に入る」という供給体制の差が大きいです。
- 大規模なシステム: 北欧や北米では、広大な森林から大型機械で一気に伐採し、巨大な工場で一律に乾燥・加工するシステムが確立されています。
- ロットの大きさ: 日本の山は急峻で小規模な所有者が多いため、一度に大量の同じ品質の材を揃えるのが難しく、結果的に一括管理された輸入材の方が安く、仕入れやすくなります。
②「プレカット工場」での扱いやすさ
現在の家づくりは、現場で大工さんが木を切るのではなく、工場で機械が自動で加工する「プレカット」が主流です。
- 精度の高さ: 輸入材(特にホワイトウッドやレッドウッド)は、乾燥による狂いが非常に少なく、機械でミリ単位の加工をしてもズレが生じにくいです。
- 品質の均一性: 国産材は一本ごとに強度や曲がりの個体差が大きいですが、輸入材の集成材は品質が規格化されているため、工場の機械を止めることなく効率的に生産できます。
③「強度計算」のしやすさ
現代の住宅には耐震性能を保証するための「構造計算」が求められます。
- 数値化された性能: 輸入材の多くは「この木はこれだけの重さに耐えられる」という強度が明確にランク付け(グレーディング)されています。
- 設計の標準化: 全国どこでも同じ性能の材が手に入るため、ハウスメーカーは全国で均一な性能の家を設計・供給しやすくなります。
ウッドショック以降、国産材は見直されている?
一方で、最近では「ウッドショック(輸入材の価格高騰)」や、環境意識の高まり(輸送時のCO2削減)、日本の森林保全の観点から、国産材への回帰も進んでいます。
| 項目 | 輸入材(集成材など) | 国産材(スギ・ヒノキなど) |
| 価格 | 以前は安かったが、現在は変動が激しい | 相対的に安定感が出てきた |
| 品質 | 均一で狂いが少ない | 個体差があるが、高温多湿に強い |
| 耐久性 | 樹種によるが、湿気に弱いものも | 日本の気候に馴染み、腐りにくい |
結論:なぜ輸入材なのか
輸入材が使われるのは、単に「木が安いから」という理由だけではなく、「日本のプレカット機械や構造計算のシステムに、最も適した『工業製品』として完成されているから」といえます。
一方で、日本の湿気やシロアリに対する強さ、あるいは「地産地消」による山林の維持という面では、国産材に大きなメリットがあります。最近では、国産材を集成材に加工して、輸入材と同じように扱いやすくする技術も一般的になってきています。
イラン情勢(ホルムズ海峡封鎖)により集成材の値上がりが顕著に

コロナ期のウッドショックの第2弾として第2次ウッドショックが起こっています。2026年のホルムズ海峡の封鎖により、石油由来の商品が手に入りにくくなっているためです。集成材は、木のイメージがあり、石油とは関係ないように思えますが、木を集成材にするためには、接着剤が必要ですが、その接着剤がナフサ由来の成分でできているためです。
2026年現在、ホルムズ海峡の緊張に伴うナフサ価格の高騰が、すでに日本の建築資材市場に直接的な影響を及ぼし始めています。また、集成材における値上がりの懸念点についても解説していきます。
価格上昇のメカニズム
集成材の価格に波及するプロセスは、以下のような「負の連鎖」によるものです。
- 原油供給の寸断: 日本の原油の中東依存度は9割を超えており、その大半がホルムズ海峡を通過します。封鎖(またはその懸念)により原油価格が急騰します。
- ナフサ(粗製ガソリン)の高騰: 原油を精留して得られるナフサは、プラスチックや化学製品の「親」となる原料です。原油高に伴い、ナフサ価格も連動して上昇します。
- 接着剤原料の値上げ: 集成材に使用されるイソシアネート系やレゾルシノール系などの接着剤は、ナフサから作られるベンゼン、トルエン、エチレンなどが原料です。化学メーカーはコスト増を価格に転嫁せざるを得なくなります。
- 集成材への転嫁: 集成材は、ひき板(ラミナ)を接着剤で何層も貼り合わせて作るため、接着剤のコスト上昇は製造原価に直結します。
現在の状況とリスク
2026年4月以降、実際に化学メーカー各社がナフサ高騰を理由に、接着剤や塗料、シンナーなどの建築資材を20%〜75%という大幅な幅で値上げ、あるいは受注停止にする動きが出ています。
注視すべき点: 集成材の場合、木材自体の輸送コスト(船舶燃料代)も同時に上昇するため、「原料高」と「物流費高」のダブルパンチを受ける構造になっています。
影響を受ける主な資材
ナフサ由来の原料に依存しているため、集成材以外にも以下の建材で値上がりが顕著になります。
- 合板(ベニヤ): 木材を貼り合わせるための接着剤を大量に使用します。
- 断熱材: 発泡ウレタンやポリスチレンフォームなどは石油化学製品そのものです。
- 塩ビ管・樹脂サッシ: 原料の多くが石油由来です。
ホルムズ海峡の封鎖に伴う「ナフサショック」は、接着剤だけでなく、家づくりのほぼすべての工程に及ぶ多種多様な資材に影響を与えます。
直接的な影響を受ける深刻な影響のある石油系資材

ホルムズ海峡の封鎖に伴う「ナフサショック」は、接着剤だけでなく、家づくりのほぼすべての工程に及ぶ多種多様な資材に影響を与えます。 2026年5月現在、特に深刻な影響が出ている資材を、その理由とともに具体的にまとめました。
ナフサ(粗製ガソリン)を原料とする「プラスチック・樹脂・溶剤」関連が最も激しく値上がりし、受注停止も相次いでいます。
- 高性能断熱材(発泡系)
- 対象: スタイロフォーム(押出法ポリスチレンフォーム)、吹付ウレタン断熱など。
- 状況: 原料そのものが石油製品であるため、40%以上の値上げや出荷制限が発生。代替品(グラスウール等)への注文集中による連鎖的な不足も懸念されています。
- 塗料・シンナー(有機溶剤)
- 対象: 外壁塗装、屋根塗装、内装の仕上げ。
- 状況: 2026年3月以降、シンナーなどの溶剤が最大75%値上げされるという異例の事態になっています。希釈剤であるシンナーがないと塗装自体ができず、現場がストップする主要因となっています。
- 防水材・ルーフィング
- 対象: 屋根の下葺き材(アスファルトルーフィング)、バルコニーの防水シート、シーリング材(コーキング)。
- 状況: アスファルトや合成ゴムも石油由来です。屋根の防水ができないと雨仕舞いができず、建物本体の劣化を招くリスクがあります。
- 塩化ビニル製品(樹脂系)
- 対象: 水道配管(塩ビ管)、ビニル壁紙(クロス)、樹脂サッシの枠。
- 状況: 12〜20%程度の値上げが進行中。特に配管材は代替が効かないため、基礎・設備工事に直結します。
設備機器(住宅設備)への影響
接着剤や外装だけでなく、キッチンやトイレなどの「中身」にも影響が出ます。
| 設備カテゴリ | 具体的な影響 |
| ユニットバス・トイレ | 浴槽、便座、配管接続部など多くの樹脂部品がナフサ由来のため、受注停止や納期未定が発生。 |
| キッチン・洗面台 | 人造大理石(樹脂系)の天板や、扉の接着剤、コーティング剤に影響。 |
| 生コンクリート | 原料運搬船や重機の燃料(重油・軽油)不足により、基礎工事が着工できないケースが報告されています。 |
物流・インフラコストの増大
材料の「中身」だけでなく、現場に届くまでのプロセスでもコストが上乗せされます。
- 輸送コスト: トラックや重機の軽油価格上昇による運賃アップ。
- 船舶保険料: ホルムズ海峡の緊張による「戦争危険保険料」の急騰。これにより海外からの輸入建材(木材や金属パーツ)も、石油製品でなくても値上がりします。
現場でのリスク:
現在、一部の業者では資材不足を理由に「本来の仕様と異なる安価な代用品での施工」や「材料の量を減らす手抜き工事」が発生する懸念もあります。契約時や施工中、これまで以上に丁寧な確認が求められる状況です。
集成材値上がりにおける懸念点
集成材をつくるためには、接着剤が必要ですが、値上がりによる懸念点とすると、接着剤の質を下げたものを使われるリスクです。いい接着剤を使った集成材だと30年後も強度を保つことができますが、質の悪い接着剤を使われると剥離しやすくなります。剥離していくと強度低下、きしみ、反り、水の侵入による腐朽につまがります。接着性能の高い接着剤が使われているのかどうかは、集成材を見ただけではわからないので、10年後20年後に気づく可能性があります。
購入・契約時のチェックポイント
現在検討されている物件や、これから建てる予定がある場合、見積書や仕様書に「構造用集成材(JAS認定品)」と明記されているか確認することをお勧めします。
日本の一般的な住宅建築において、構造用集成材については「JAS認定品」を使うのが事実上の標準(デファクトスタンダード)となっています。しかし、法律で「全ての建物にJAS認定品を強制」しているわけではありません。JAS認定品の構造用集成材は、かなり厳しい試験をクリアしているので安心できます。
構造用集成材でJAS認定品を使わない場合のリスク
JAS認定を受けていない「無等級材」や「JASマークのない集成材」を使うことも不可能ではありませんが、その場合は以下のハードルが生じます。
- 構造計算の難化: 強度が不明確なため、建築確認申請の際に非常に保守的(不利)な計算結果となり、結果的に部材が太くなるなどコスト高になる場合があります。
- 住宅ローンの審査: フラット35などの住宅ローンや、住宅性能表示制度、長期優良住宅の申請では、原則としてJAS認定品(またはそれに準ずる性能証明)の使用が必須条件となります。

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