不動産取引で知っておくべき不動産の評価法(収益還元法・原価法・取引事例比較法)中古物件は取引事例比較法で価格を算出する!

不動産の資産価値の見極め方

不動産取引で知っておくべき不動産の評価法(収益還元法・原価法・取引事例比較法)中古物件はどうやって査定するの?

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不動産には評価法(収益還元法・原価法・取引事例比較法)がある

不動産の価値を算出する評価方式にはさまざまなものがあり、投資用は「収益還元法」、居住用は「取引事例比較法」、ローンの担保価値や分譲価格は、「原価法(積算)」が使われています。

基本的に、新築の値段は、原価法を基準にして、値付けされます。また中古物件は、取引事例比較法を利用して価値を計ります。中古物件では、もろに需要と供給のバランスによって価格が反映されることになります。近隣の物件との値段のバランスで成約していきますので、新築の値段と中古の値段は連動します。新築の値段が上がれば、中古の値段も上がります。

購入する方も売却を検討している方も 査定方法についてしっかり把握しておく必要があります。購入する場合には、資産価値を見極めて購入しなければいけませんし、売却する場合には、査定がどのように行われるのかを知っていなければ査定をしてもらって査定額の説明をしてくれても、それを理解することができないからです。

中古物件は、取引事例比較法によって、家の査定を行います。

不動産の価値を算出する方法には、大きく3つ

収益還元法

原価法

取引事例比較法

①収益還元法とは

収益還元法は投資用不動産に使われる評価方法で算出方法は「純家賃÷還元利回り=収益還元法価格」です。純家賃は家賃収入から経費を差し引くことによって求めます。還元利回りは、周辺地域の平均的な利回りに物件の特性などを考慮して調整を加えて算出します。 収益還元法はインカムゲインに着目しています。

マンションを購入する方は、必ず収益還元法の観点からも資産価値を見極めて購入しなければいけません。

仮に、その不動産が月に10万円の家賃で賃貸に出すことができる物件があるとすると、7%の投資利回りで収益物件として売れる価値がある場合には、10万円×12カ月÷7%で約1700万円という査定価格が算出されます。この価格に住宅の維持費(経費)を差し引いた価格が収益還元法で求められる査定価格です。

収益還元法は、収益物件を評価する時に利用されます。

ただ、住宅も、不動産投資といえるので、収益還元法の観点からも試算することが大切です。

住宅を購入する時、賃貸に貸した時、いくらくらいで貸せるのか必ずチェックしましょう!特にマンションは、利回りも考えずに、購入することは危険です。家賃相場を確認することは鉄則です。

②原価法とは

原価法は積算法とも呼ばれます。土地を相続税路線価などの公的な評価額から求め、建物の価格は平均的な建築単価を、建築面積に掛け合わせて計算します。両者を合算したものが積算価格です。

もう少し簡単に言いますと、その不動産をもう一度建て直した場合、費用がいくらかかるのかを基準に査定する方法です。

新築マンションや新築一戸建ては、土地建物の金額に利益をのせた金額が売り出し価格になり積算された価格です。

新築マンションや新築一戸建ての時に利用します。

③取引事例比較法とは

中古の戸建・中古のマンションは、取引事例比較法で査定します。

取引事例比較法は、数多くの取引事例を収集した上で類似する取引事例を選択し、取引価格を事情補正し、地域要因個別的要因を比較し価格を比較して評価額を求めます。
たとえば、マンションであれば査定するマンションの部屋と同じマンションの違う部屋がどれくらいの成約価格なのかを基準にして、 値段のバランスを考え事情を考慮して算出します。

同じマンションで成約事例がない場合、周辺の同じような類似しているマンションでは成約価格がいくらくらいだったのかから算出していきます。

中古物件の査定をする場合、必ずこの取引事例比較法を利用して算出することが一般的です。だからこそ、査定する側の思惑によって、金額に差がついてしまうということが起こります。

マンションの場合、坪単価で把握していくと比較検討しやすくなります。

関連記事:マンションの不動産取引で知っておくべき分譲単価(坪単価)とは?1種単価とは?

事情補正:売り急ぎ買い急ぎなど、取引事例が発生した時の特別な事情を考慮します。所有者が破産し安く売却された、不動産競売市場経由で取引がなされた、投機目的で高く購入された等が挙げられます。

取引事例比較法は、自宅を売却する時などに、よく用いられます。つまり中古物件の金額が、取引事例比較法により、近くの成約事例をもとに算出されます。中古物件は、近隣マンションや近隣の中古戸建の値段のバランスを考えながら売り出し価格を考えます。築年数が新しいマンションや中古戸建の場合、新築マンションや新築一戸建てとの値段のバランスも重要になってきます。

個別的要因:その不動産の個別的な格差を考えます。

接道の有無・間口
南側接道か北側接道か
公道か私道か
間取り・日当たり等

取引事例比較法のデメリットとは

取引事例比較法は、類似物件の取引事例を多く収集できる場合、より正確な査定価格を算出することができます。しかし逆に、成約事例が少なかった場合には適正価格からブレやすい傾向があります。

取引事例が少なければ少ないほど、査定する不動産会社の主観による判断の割合が大きくなるだけでなく、査定する側の思惑が加味されて、査定金額がでてきます。仲介会社が利用している査定書は、AIによって、作成される物ではなくて、営業マンの意思で数字をいくらでもつくることができるレベルの物です。

そのため、査定した仲介会社がどれだけの物件を取引事例として抽出し、どのような観点から補正をしたのかということも金額に大きくかかわりますが、それ以上に、仲介会社側の思惑が一番大きく影響するのが査定です。

なぜ、査定金額はブレるのか?

数社に査定してもらうと、様々な金額がでてきます。知るべきは、適正価格です。

査定価格がブレる一番の原因は、査定する側の思惑が大きく影響するからです。例えば、新築マンションの買い換えが絡んでいる査定の場合、売れないと買うことができないので、確実に売れるつまり買い取り価格に近い金額が提示されます。しかし、一括査定サイトのようなところから複数社に査定依頼すると、媒介契約が欲しいがために、相場とかけ離れた高い金額で提示する会社が必ず現れるからです。

また、一戸建ての物件は、それぞれの物件ごとに個性が強いため、 取引事例比較法だけでは、精度の高い金額を導き出すのは難しい 査定方法です。建物の価値がほとんどない古家付きの土地であれば、土地として成約事例からある程度近い金額を導き出すことができます。当然、前面道路の状況や諸事情を考慮して補正をかけていきます。

関連記事:土地・不動産の高価買い取り・高値売却の方法とは

売れる金額から逆算する新築一戸建て用地・マンション用地

広すぎる土地であったり様々な事情で取引事例比較法で算出するのが難しい場合、分譲用地として考えた場合の逆算方法が下記のようになります。使い道はよくありますので、知っておいて損はありません。

マンション用地の土地の評価は、1種単価で計算する!そしていくらで売れるかから逆算する!

戸建の土地の評価は、新築一戸建てを建てた場合、いくらで売れるかから逆算する!

①マンションを分譲する時の土地の仕入れ目線

上記に加えデベロッパーの採算性に注目した評価方法を理解していると、より不動産の見極めが簡単になります。 是非、知っておきたい評価方法です。

プロが土地を仕入れる時、下記のような思考をたどり、土地を仕入れて事業化していきます。

「この土地にマンション・戸建を建てて販売したら、いくら儲かるか」を基準に評価します。おおまかな計算は「建売分譲価格・マンションの販売価格-(建築費+経費)=評価額」。 土地を最大限活用して最も収益を上げられる建物を建てるという仮定です。経費には管理費や広告宣伝費などがあります。実際には、土地の取得から建築・販売までは、時間がかかり金利負担や相場の崩れるリスク等時間による差を価格に反映させるため、一定の利率で割り引いて、考えないといけません。

相続した土地の活用方法を検討したりするときに収益還元法の価格を裏付けるものとして利用し、最適な価格を求めていきます。収益性に着目している点は収益還元法に似ており、建築価額の求め方は積算法に近いものがあります。

そして、土地を仕入れる時、利用されるのが1種単価という考え方です。マンションの土地を仕入れる時は、1種単価という考え方が重要です。

関連記事:マンションの不動産取引で知っておくべき分譲単価とは?1種単価とは?

土地を評価する時の目線 1種単価とは?

1種単価とは?1種単価とは、容積率100%あたりの土地の単価をいいます。

例えば、土地面積100坪、容積率200%、土地価格1億円まず坪単価を計算します。

1億円÷100坪=坪単価100万円

1種単価は、 坪単価100万円÷2=50万円

になります。

分譲単価とは

まずわかりやすく、一般のファミリータイプの分譲マンションの用地を探す時の目線マンション用地の土地価格と分譲価格の関係立地である程度、分譲するにあたって分譲単価がどれくらいであれば売れるのかわかります。

基本となる公式は(土地の一種単価+建築単価)×1.4=分譲単価

建築単価はだいたい坪80万~坪90万円くらいなので、例えば坪120万容積率200%の土地だと、(60万+90万)×1.4坪210万が分譲価格になる。この1.4という係数は、分譲会社によって違います。この1.4の中に販売管理費等が入っています。坪210万円だと、70㎡の住戸で平均4200万円くらいで、販売されることになります。

坪210万円のこの中に、会社の販売管理費と利益が含まれることになります。分譲マンションではこの粗利が3割を目標に事業計画をたてます。今は、用地取得が難しく、3割はなかなか難しいと思いますが。逆にそのエリアでの分譲単価の相場がわかっているときは、逆算して土地単価を求められます。

建築単価を坪90万として基本の公式を展開すると、
一種単価×1.4+坪90万×1.4=分譲単価
【分譲単価-(建築単価×1.4)】×0.7=一種単価
建築単価を坪90万として基本の公式を展開すると、
一種単価×1.4+坪90万×1.4=分譲単価
【分譲単価-(建築単価×1.4)】×0.7=一種単価
例えばそのエリアの分譲単価が坪200万くらいだと、
(坪200万-坪100万)×0.7=一種70万が土地単価となるので、一種70万より売値が低ければお買い得だし、入札案件だったら一種70万までなら突っ込んでも儲かるかなと考えることができます。 ファミリーの分譲マンションとワンルームの収益マンションでは、建築費等が違いますので、係数が違います。建築費は、ワンルームマンションの方が、狭小地に高い建物を建てる傾向があるため割高になります。係数は、マンションデベロッパーの販管費と利益が反映されていて、販管費が各社違いますし、ファミリー系のマンションとワンルームマンションでは、販売手法が違うので、係数は違ってきます。ファミリーの場合、モデルルームを作らないといけないため高くつきますが、ワンルームマンションの主な販売手法は電話営業ですので安くつきます。 

②新築一戸建てを分譲する時の土地の仕入れ目線

新築一戸建てを分譲する時には、時として、全く相場観のない土地を仕入れることもあります。そういった時、近隣の新築一戸建ての販売価格や新築一戸建ての成約事例から逆算して、土地の仕入れ価格を決めます。土地に相場観がないときは、最終確認として、路線価をチェックします。土地の仕入れ価格として、路線価の150%を超えることはありません。一般的な仕入れ価格は路線価の120%~130%が目安になります。

路線価対比で相場の範囲内か確認することができる!

関連記事:新築一戸建てを建てるための土地を見極めるポイント9選 路線価対比は重要!

戸建の場合は、シンプルに考えて、1宅地あたりいくらなのかを試算して、建物と利益を乗せた金額が、相場の範囲内なのか、売れる価格なのかを判断してから仕入れを行います。

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