なぜ仲介会社は両手取引にこだわるのか!?両手取引にこだわると囲い込みになる!

不動産売却は、仲介の仕組みをしらないと損をする!
不動産業界の悪しき習慣のひとつに「両手仲介」というものがあります。これは物件の売主と買主、双方から手数料を取るケースを指します。
マンションなどの不動産を売却する場合には、物件の「売主」と「買主」の双方が仲介手数料を支払うシステムになっていて、この手数料の双方を、一社が独占して受け取ることを「両手仲介」と呼びます。
ではなぜ、この「両手仲介が悪しき習慣」と呼ばれるのでしょうか?
両手仲介と片手仲介の違い
売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ることを「両手仲介」といい、売主か買主のどちらか片方からだけ手数料を受け取ることを「片手仲介」といいます。
◆両手仲介の例
売主であるあなたは、A不動産を通じてマンションの売却を依頼しました。しばらくすると、A不動産が自力でマンションを購入したいという希望者を見つけてきました。このケースで売買が成立した場合、A不動産は売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ることができます。
つまり、A不動産は「売主」と「買主」をどちらも自分で見つけてきたので、双方の手数料を独占できるというわけです。これを「両手仲介」と呼びます。売主様だけ、または買主様だけの仲介を「片手仲介」と呼びます。
両手仲介の何が問題なのか?

では、なぜ両手仲介が悪しき習慣と言われるのか? その具体的な説明に入りたいと思います。まずは両手仲介と片手仲介を比べた場合に、どれほど利益に差がでるか計算してみましょう。

両手仲介はなにがダメなの?
例)3000万円の物件を売却した場合
ここでは3000万円の中古分譲マンションを例に考えてみたいと思います。3000万円の物件であれば、かかる仲介手数料は「3000万円×3%+6万円+消費税」となりますので、約96万円が一般的な相場となります。
★この時注意が必要なのは、この96万円という手数料は、売主と買主が半分ずつ負担するのではなく、売主も買主もそれぞれ96万円ずつ支払う必要があるということです。
そのため、もしA不動産が自力で買主を見つけることができれば、96万円+96万円=192万円の仲介手数料を、まとめて受け取ることができるのです。
売却するマンションは同じ一つだけでも、片手仲介の場合は96万円だけなのに対し、両手仲介の場合はその倍の192万円もの収入がA不動産に入ってきます。
たとえ、安く売却させたとしても、両手の方が、不動産仲介会社の売り上げは高くなる仕組みになっています。
両手仲介を成立させて手数料をたくさん受け取るために、A不動産が不正行為を行う可能性があるのです。
関連記事:マンション売却失敗、知らない間に大損で後悔!囲い込みって何!
例えば他の業者にお客さんを取られないよう、意図的に売買情報を隠したり、十分な宣伝活動をしないというケースがあります。
先程のケースで言えば、B不動産などから購入希望の問い合わせがあっても、「すみません。その物件はすでに商談中なので、紹介はできません」などとウソをついて、断ってしまうケースまであります。
こうなると、A不動産が自力で買主を見つけてくるまでは売買が成立しないので、売却するまでに非常に時間がかかる恐れがあります。
相場より安く売却されてしまう恐れもある【両手仲介】

売却を頼んだA不動産が、他社経由で売ることになる前に、少しでも早く自社経由で売ろうとして、相場よりも安く売ってしまおうと画策する恐れがあるのです。
最悪のケースだと、実はB不動産のお客さんの中には3000万円で購入してもよいと言っている人がいるのに、どうしても両手仲介の手数料が欲しいからと、自社が探してきた2,500万円のお客さんを優先させる可能性がよくあります。
もしこのことに気づかずに売ってしまったら、500万円も損をすることになってしまいます。このことは、表に出ることはありません。内部の人間だけが知っています。現場レベルでは営業マンどうしで暗黙の了解となっています。
両手取引にこだわると、必ず囲い込みが行われます!大手ほど、両手比率は高いのが現実!
関連記事:マンション売却時、専任で売却すると後悔! 売却成功の唯一の方法とは!「両手仲介」でカモになる実態とは!

両手の手口は巧妙・進化している
マンション売却の依頼を受けた不動産会社が、両手仲介を狙うために、最初の1、2ヶ月間は他社の紹介をまったく受け付けない…、などというケースが本当にたくさんあります。レインズに専任で登録された売却物件情報は、それを登録した不動産会社のみが窓口になります。物件資料の提供や案内の段取り、広告掲載の許可など、すべてがその不動産会社を通さないとできない仕組みになっているのです。
そのため、他業者が資料請求や案内の申し込みをしても、レインズの登録業者に「契約予定です」「商談中です」といわれれば何もできなくなってしまう仕組みです。他業者にすれば買いたいお客様がいるのに案内もできないことになります。昔は、露骨に商談中と断られていましたが、今は、バレないように巧妙になっています。
関連記事:マンション売却時、専任で売却すると後悔! 売却成功の唯一の方法とは!「両手仲介」でカモになる実態とは!
両手取引をねらうための巧妙な囲い込みのやり方
不動産業界で問題になる「囲い込み」は、露骨に「他社お断り」と言うより、外から見えにくい形で行われることがあります。代表的なのは次のようなパターンです。
- 「まだ売主確認が必要です」
- 「商談が入りそうです」
- 「内見調整中です」
- 「鍵の手配ができません」
- 「図面が未完成です」
- 「リフォーム業者が入っています」
- 「申込予定があります」
など、完全な拒否ではない“保留”を繰り返して時間を稼ぐケースです。
また、
- レインズ登録はするが詳細情報を薄くする
- 写真を少なくする
- 広告掲載不可にする
- 他社からの質問への返答を遅らせる
- 週末の良い時間帯だけ内見不可にする
なども、結果的に自社客優先になりやすいようにバレないように巧妙に動きます。特に売り主は気づきにくい状況です。
2026年現在、不動産業界全体で「囲い込み」への監視が厳しくなった結果、以前のような「嘘をついて他社を拒否する」という稚拙な手口から、「制度の隙間をついた巧妙な手口」へと進化しています。
売り主が気づかないうちにチャンスを逃している、具体的な「現代版囲い込み」の手法をいくつか紹介します。
1. 「内覧スケジュール」の戦略的コントロール
「商談中」と嘘をつくのではなく、物理的な調整不可を装う手法です。
- やり方: 他社から内覧希望が入っても、「売り主様の都合が合わない」「鍵の手配が間に合わない」と数日間先延ばしにします。
- 狙い: その「空白の数日間」で、自社の抱えている顧客に優先的に内覧させ、先に申し込みを入れさせる時間稼ぎをします。
- 見抜き方: 「土日はいつでも内覧OK」と伝えているのに、営業マンから「他社さんの希望日は都合がつきませんでした」と事後報告が多い場合は疑わしいです。
2. 「紹介停止中」を装うステータス管理
レインズ(業者間システム)の仕組みを逆手に取った方法です。
- やり方: 自社の客から「検討中」という曖昧な意思表示があっただけで、システム上のステータスを即座に「書面による申し込みあり」や「契約予定」に変更します。
- 狙い: 他の仲介会社がシステムを見た際、「あ、もう決まったんだ」と諦めさせ、問い合わせ自体を遮断します。実際には契約まで至らなくても、「直前でキャンセルになりました」と言えば言い訳が立ちます。
3. 「広告掲載」の不当な不許可
売り主の「希望」を悪用する心理的な囲い込みです。
- やり方: 売り主に対し、「色々なサイトに載ると安っぽく見える」「近所に知られずに売りましょう」とアドバイスし、他社による広告掲載をNGにさせます。
- 狙い: 情報を自社サイトのみに限定することで、買い主からの問い合わせを100%自社で独占します。窓口を一本化するという「建前」があるため、売り主も疑いにくいのが特徴です。いいくるめられている売り主は多いはずです。
4. 自社サイト限定の「未公開物件」扱い
情報の鮮度を盾にした方法です。リテラシーが低い売り手だと一般媒介・レインズ未登録で媒介をまいたりします。
- やり方: レインズへの登録義務(専任媒介なら契約から7日以内)が発生する前の「数日間」を使い、自社の優良顧客だけに情報を流します。
- 狙い: 他社に情報が回る前に自社内で成約(両手取引)を完結させようとします。売り主には「レインズに載せる前に、とっておきのお客さんが見つかりました!」と報告するため、売り主はそれが囲い込みだとは気づかず、むしろ感謝してしまいます。
5. 「自社客」への誘導
「確実に売れる」という安心感を逆手に取る高度な手法です。
- やり方: 他社が連れてきた買い主の条件が良い場合でも、「自社の客は現金購入です」「自社の客は当社のローン審査が通っているので確実です」と、自社客の優位性ばかりを強調して売り主に報告します。
- 狙い: 売り主が「それなら自社客の方が安心だ」と判断するように仕向け、両手取引に誘導します。
両手取引にこだわる業界構造の背景とは
仲介会社の営業マンが「両手取引(りょうてとりひき)」に執着する最大の理由は、先ほど解説しましたようにシンプルに「1回の労力で利益が2倍、あるいはそれ以上になるから」という極めて強力な経済的インセンティブがあるためです。 「両手取引(売主・買主の両方から仲介手数料をもらう形)」にこだわれば、売上がほぼ2倍になります。
不動産業界の構造的な背景を含め、まとめると具体的には以下の4つの理由が挙げられます。
1. 売上の最大化(シンプルに利益2倍)
不動産仲介の報酬(仲介手数料)は、宅建業法で上限が「物件価格の 3% + 6万円+消費税」と決められています。
- 片手取引: 売り主か買い主のどちらか一方からしか手数料をもらえない。
- 両手取引: 売り主と買い主の両方から手数料をもらうため、売上が一気に2倍になります。
営業マン個人の歩合給(ボーナス)も、売上額に応じて決まることが多いため、3,000万円の物件を2件売るよりも、1件の物件で両手取引を成立させる方が効率が良いという力学が働きます。また、不動産仲介は広告費がかかるビジネスモデルのため、広告費の回収のため営業マンに圧力をかけることも両手取引に向かわせる原因になっています。
2. 「囲い込み」による情報の独占
自社で売り主と専任媒介契約を結んだ物件を、他社に紹介させず自社で見つけた買い主に売ろうとする行為が「囲い込み」です。業界内では大手を中心に当たり前のような文化があるので、売りやすい物件ほど要注意です。
- 他社から「内覧したい」という問い合わせがあっても、「商談中です」と嘘をついて断ることがあります。(最近は巧妙化)
- これにより、自社に問い合わせてきた買い主だけで成約させ、確実に両手を狙いに行きます。
3. 社内評価とノルマの達成
多くの不動産会社では、月々の売上目標(ノルマ)が厳しく設定されています。
- 月の締め切り間際で「あと30万円足りない」というとき、新しい物件を探すよりも、今ある預かり物件(売り主物件)で両手取引を狙う方が、目標達成の近道になります。
- 会社としても、広告費をかけて集客した以上、そのコストを自社で全額回収(両手)したいという経営判断が働きます。
4. 交渉のコントロールのしやすさ
売り主と買い主の両方を自社で抱えていると、価格交渉や引き渡し時期の調整が非常にスムーズになります。
- 片手の場合: 他社の営業マンを介して交渉するため、意見が食い違うと調整に時間がかかります。
- 両手の場合: 営業マン一人のさじ加減(あるいは社内会議)で「売り主様にはこれくらいで納得してもらい、買い主様にはこの条件を飲んでもらおう」という調整が可能になり、成約(=手数料確定)までのスピードが上がります。
防止策は一般媒介にすることが大切

売主側からすると、両手狙いが強すぎる会社・営業マンは、
- 他社客を積極的に受けない
- 売却機会を逃す
- 売れるのが遅くなる
可能性が高くなるため、かなり注意が必要です。
逆に営業マンの営業トークとしては、
- 「うちで買主も探せるので話が早い」
- 「価格調整が柔軟にできます」
- 「情報管理が一本化できます」
- 「両方把握しているのでトラブルが少ない」
など、“売主メリット”として説明されることが多く、寄り添っているように見せかけ本丸は、両手取引であることが一般的です。
一番効果のある対策は、一般媒介で依頼する
必ず、専任媒介以上を進めてくると思いますが、 言いなりにならずに、一般媒介で様子をみるのが得策です。
※もし、今契約している業者に不信感を感じているならば、一旦その業者との専任契約は解消して、別の業者に仲介を依頼するあるいは一般媒介に切り替えるのも1つの方法です。売れ筋の物件は、かならず一般媒介にすべきです。
媒介契約を一般媒介にすると安心!
不動産業者との仲介契約は、双方合意の上なら即時解消できますし、仮にそれが難しくても、原則3ヶ月契約になっているので、更新をしなければそこで終了となります。
※レインズ が普及した今、不動産は、適正価格であれば3ヶ月もあれば売れる可能性は高いです。もし適正価格で売り出したにも関わらず3ヶ月経ってもその業者以外に案内も入らない、売れない、とすれば物件やエリア性にもよりますが、その業者が物件を隠している可能性は高いと思われます。
もうすでに専任媒介で依頼してしまった方はどうすればいいのか?
巧妙な囲い込みを防ぐための「対抗策」
これらに対抗するには、営業マンに対して以下の「魔法の質問」を投げるのが効果的です。
- 「レインズの『登録証明書』と『図面表示履歴』を見せてください」
- 他社があなたの物件情報をどれくらい閲覧しているか、システム上の履歴を確認したいと伝えます。
- 「他社さんからの広告掲載依頼は何件来ていますか? 全部OKしてください」
- 露出を最大化したい意思を明確に伝えます。
関連記事:安易に専任媒介で不動産売却は失敗!一般媒介と専任媒介どっちがいい?本音で有利な方法を徹底解説

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